2008-06-18

樋口恵子さんと男女共同参画社会、のこと

午後、県民文化会館にて開催された
男女共同参画社会づくり推進県民大会、に参加した。

今日は、その基調講演から。

講師は、テレビでもおなじみ、
評論家であり東京家政大学名誉教授の、樋口恵子さん。

その他にも肩書きいくつもの、あの、樋口さんである。

演題は、「これからの女と男のいい関係」。
ということだったが、実に深イイ話であった。

樋口さんによると。

明治維新、第二次大戦敗戦に次いで、
近代日本の3つめのターニングポイントとなる、

それくらい大きな、しかし静かなる革命が、
今、私たちの身の回りで、進行形で起きている、のである。

その革命とは、ズバリ、
男女共同参画社会の実現、であり、

未だ道のり半ばながら、何としてもそれを成就させよう、
というのが、講演メッセージの核心であった。

と、簡単にまとめてはいけないのである。

革命?
身の回りのどこで?
どんな?

そう、樋口さんは講演のプロなのである。

強烈なツカミの後は、アドリブを交えて、
軽妙にして痛快無比の、樋口ワールド。

いわく。
過去2回のターニングポイントと今回の違いは、3つ。

過去はいずれも、外圧がきっかけだったが、
今回は、いわば、内発であること。

そして、過去はいずれも、血を流したが、
今回は、血は流れていないこと。

だから、静か。

また、過去は、1867年、1945年、何月何日と日付を打てたが、
今回は、ここ10数年に横たわるため、日付が打てない。

だから、進行形。

その基点は、1995年の阪神大震災。

国民が初めて、そして本気で、国にお任せではダメだ、
と思ったあの瞬間から、

人々の心の中に、誰に頼らずとも自分たちで、という、
真の自立が芽生え始めたのではないか、という。

そして、地元の方々とともに澎湃と立ち上がった、
全国各地のボランティアとの共同によって、
その後の復興がなされたのはご承知の通りだが、

それまで、ボランティアという概念はほとんどなかった、
のだそうだ。

新たな概念は、新たな行動を生む。

その機運は、1998年にNPO法を成立させる。

官が民をパートナーとして認めたことにより、これで、
それまでの官尊民卑から、官民共同・対等という、新たな概念ができた。

また、1999年には、改正男女雇用機会均等法ができ、
いわゆる男尊女卑から男女共同へと、一気に概念変化が起きた。

そして、2000年の地方分権一括法では、
いわゆる国と地方の関係を、上下・主従ではなく、対等・協力に転換した。

こうした一連の、コペルニクス的転回ともいうべき概念変化を指して、
過去2回に匹敵するほど大きな革命、というのである。

むむむ、なるほど。
この10数年の身の回りを、そういう角度から考えたこともなかった。

そして、大事なポイントは、それが進行形であるということ。
まだ、道半ばなのである。

めざすべきゴールは、男女共同参画社会の実現。

そのキーワードは多様性、
であるとし、実現すべきは。

男女がそれぞれ、
個人の自立と個性を発揮しながら、

意思と能力の総和によって、
支えあい、助け合い、分かち合う、力強い社会、
ということであった。

すばらしい示唆を得た。
ともにゴールをめざしてまいりたい、と思った。

そして、何より。

とても私より32歳も年上には見えない樋口さんの、
体験に基づく、魅力的で貴重なお話に触れられたことに、
心から感謝したいと思う。

��写真は、樋口恵子さんの講演風景。)


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