
男女共同参画社会づくり推進県民大会、に参加した。
今日は、その基調講演から。
講師は、テレビでもおなじみ、
評論家であり東京家政大学名誉教授の、樋口恵子さん。
その他にも肩書きいくつもの、あの、樋口さんである。
演題は、「これからの女と男のいい関係」。
ということだったが、実に深イイ話であった。
樋口さんによると。
明治維新、第二次大戦敗戦に次いで、
近代日本の3つめのターニングポイントとなる、
それくらい大きな、しかし静かなる革命が、
今、私たちの身の回りで、進行形で起きている、のである。
その革命とは、ズバリ、
男女共同参画社会の実現、であり、
未だ道のり半ばながら、何としてもそれを成就させよう、
というのが、講演メッセージの核心であった。
と、簡単にまとめてはいけないのである。
革命?
身の回りのどこで?
どんな?
そう、樋口さんは講演のプロなのである。
強烈なツカミの後は、アドリブを交えて、
軽妙にして痛快無比の、樋口ワールド。
いわく。
過去2回のターニングポイントと今回の違いは、3つ。
過去はいずれも、外圧がきっかけだったが、
今回は、いわば、内発であること。
そして、過去はいずれも、血を流したが、
今回は、血は流れていないこと。
だから、静か。
また、過去は、1867年、1945年、何月何日と日付を打てたが、
今回は、ここ10数年に横たわるため、日付が打てない。
だから、進行形。
その基点は、1995年の阪神大震災。
国民が初めて、そして本気で、国にお任せではダメだ、
と思ったあの瞬間から、
人々の心の中に、誰に頼らずとも自分たちで、という、
真の自立が芽生え始めたのではないか、という。
そして、地元の方々とともに澎湃と立ち上がった、
全国各地のボランティアとの共同によって、
その後の復興がなされたのはご承知の通りだが、
それまで、ボランティアという概念はほとんどなかった、
のだそうだ。
新たな概念は、新たな行動を生む。
その機運は、1998年にNPO法を成立させる。
官が民をパートナーとして認めたことにより、これで、
それまでの官尊民卑から、官民共同・対等という、新たな概念ができた。
また、1999年には、改正男女雇用機会均等法ができ、
いわゆる男尊女卑から男女共同へと、一気に概念変化が起きた。
そして、2000年の地方分権一括法では、
いわゆる国と地方の関係を、上下・主従ではなく、対等・協力に転換した。
こうした一連の、コペルニクス的転回ともいうべき概念変化を指して、
過去2回に匹敵するほど大きな革命、というのである。
むむむ、なるほど。
この10数年の身の回りを、そういう角度から考えたこともなかった。
そして、大事なポイントは、それが進行形であるということ。
まだ、道半ばなのである。
めざすべきゴールは、男女共同参画社会の実現。
そのキーワードは多様性、
であるとし、実現すべきは。
男女がそれぞれ、
個人の自立と個性を発揮しながら、
意思と能力の総和によって、
支えあい、助け合い、分かち合う、力強い社会、
ということであった。
すばらしい示唆を得た。
ともにゴールをめざしてまいりたい、と思った。
そして、何より。
とても私より32歳も年上には見えない樋口さんの、
体験に基づく、魅力的で貴重なお話に触れられたことに、
心から感謝したいと思う。
��写真は、樋口恵子さんの講演風景。)
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