2015-12-31

2015年の結びに












2015年も、あと2時間あまりとなりました。

この1年、本当に多くの皆様にお世話になり
ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。皆様、有難うございました。

来たる2016年が皆様にとりまして

本年以上に素晴らしい年となりますよう
心からお祈り申し上げます。

引き続き明年も、
家族ともどもに
ご指導ご鞭撻を賜りますよう
何卒宜しくお願い申し上げます。

1年間、本当に有難うございました。

2015-12-23

2015回顧録(23)

12月定例会一般質問より

災害廃棄物処理計画について















「災害廃棄物対策について、お伺いします。

近年、土砂災害やゲリラ豪雨など膨大な廃棄物をもたらす大規模自然災害が頻発しております。本年9月の関東・東北豪雨災害で被災した茨城県常総市では、鬼怒川の堤防決壊により市街地が広範囲にわたって浸水し、水が引いた後の不衛生で悪臭を放つ膨大な量のごみやがれきの処理、路上や空き地への不法投棄への対応に追われ、復旧作業に大変大きな支障をきたしたといわれます。

ご案内の通り、国はこうした大規模な災害に備えるため、地方自治体に対し、仮置き場や処理方法を定めた「災害廃棄物処理計画」の策定を求めておりますが、茨城県と常総市では計画が未定になっていました。予期せぬ災害への対策が十分と言えなかったことは残念ですが、決してこれは同県に限った問題ではありません。

本年、環境省が実施した調査によりますと、災害廃棄物処理計画の策定は、昨年度時点で、都道府県においては約2割、市区町村においては約3割に留まっている状況とのことであり、本県におきましても、特に市町では策定が進んでいないと聞いております。

現場からは、災害廃棄物はさまざまなごみが混ざり合っており、処理が複雑で難しいことから、処理計画づくりのノウハウや人材が不足しがちな自治体ではなかなか策定が進まないといった声も上がっております。

折りしもの本年8月6日、東日本大震災等の教訓を踏まえ、切れ目なく災害対策を実施・強化するための「廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律」が施行され、その翌月、国においては「災害廃棄物処理支援ネットワーク」を発足させました。

環境省が事務局となる同ネットワークは、自治体関係者や民間の事業者団体、研究機関などで構成される組織で、災害時には、廃棄物を処理するための技術的な助言を行うほか、平時には、自治体の処理計画の策定を支援する役割が期待されております。

県の地震被害想定調査では、南海トラフ巨大地震が発生した場合、がれき等の災害廃棄物が約1,734万t、津波堆積物が約323686万t発生すると想定されています。合計すると2,000万tを超えるその量は、県内の家庭等から排出される一般廃棄物約51年分に相当するほど、膨大な量となります。
一刻を争う被災者の救助・救出や、災害後の復旧をスムーズに進めるためにも、平時のうちに、県と市町において実効ある災害廃棄物処理計画を策定し、県と市町、及び市町間の連携体制を整備することが重要であると考えます。

そこで、お伺いします。
9月に発足した災害廃棄物処理支援ネットワークを活用しながら、県及び市町の災害廃棄物処理計画の策定を加速するとともに、県と市町、及び市町間の連携体制を速やかに整備すべきと考えますが、ご所見をお示しください。また、本県及び県内市町の災害廃棄物処理計画の策定状況と今後の見通しについても併せてお聞かせください。「



<答弁要旨:県民環境部長>
「近い将来発生が危惧される南海トラフ地震をはじめとする大規模災害時には、災害廃棄物が大量に発生し、早期復旧の大きな阻害要件となることが懸念されるため、予め県及び市町において整合の取れた「災害廃棄物処理計画」を策定し、災害に備えることが極めて重要と認識している。

このため、現在、県では、国の「災害廃棄物対策指針」を踏まえ、災害廃棄物処理支援ネットワークの構成団体メンバーや県・市町の関係職員等で構成する「県災害廃棄物処理計画実務専門者会議」を設置し、今年度末を目途に、市町間の連携や県と市町の役割分担、民間事業者等との連携方策等を盛り込んだ「県災害廃棄物処理計画」を策定するとともに、市町では国指針に基づく計画が未策定であることから、併せて、スムーズな計画策定を支援するガイドラインづくりを進めているところである。


県としては、これらの計画等を策定後、速やかに市町に提示し、必要に応じて「災害廃棄物処理支援ネットワーク」も活用しながら、全市町が早期に計画を策定できるよう助言・支援を行い、本県の地域特性を踏まえた実効ある、「オール愛媛」の災害廃棄物処理体制が平時のうちに確立できるよう努めてまいりたい。」

2015-12-22

2015回顧録(22)

12月定例会一般質問より

③高齢者虐待について















 「先日、とある書店でPOP広告に目が止まり1冊の本を購入しました。タイトルは「下流老人」。著者である藤田孝典氏によりますと、まもなく日本の高齢者の9割が下流化し、生活保護レベルの暮らしを余儀なくされるだろうとのことで、そこには孤立・貧困化する、深刻な高齢者問題が描かれておりました。

著者いわく、下流老人には3つの“ない”が揃っているとのこと。即ち、収入が少“ない”、十分な貯蓄が“ない”、頼れる人がい“ない”。この3つの指標をもって下流老人の実像としておりますが、周囲を見渡しますと、これに当てはまると感じる高齢者は決して少なくないのではないでしょうか。

長年、生活困窮者の支援を行ってきた“著者自らの経験に基づく仮説”というところに説得力があり反響が広がっていると思うのでありますが、政治に携わる我々としてはそのような事態を全力で回避しなければなりません。

高齢者に関わる問題はあまりにも多岐にわたりますが、以下、高齢者虐待について取り上げたいと思います。

大阪市の特別養護老人ホームで介護士が入所者の首を絞めた事件、川崎市の有料老人ホームで入居者3人が相次いで転落死した事件、岩手県葛巻町(くずまきまち)の特養で職員が入所者に約2週間のけがを負わせた事件など等、近年、介護施設での虐待事件が後を絶ちません。

言うまでもなく、虐待は重大な人権侵害であります。あってはならないはずの介護施設で、なぜこれほどまでに虐待が発生するのか?行政は早急にその原因を究明し、再発防止策を講じなければなりませんし、そのためには、高齢者と介護現場がそれぞれどんな状況におかれているのかという実態を直視する必要があります。

まず、高齢者に目を向けますと、厚生労働省の高齢者虐待対応状況調査では、2013年度に介護施設や居宅サービス事業等において介護事業従事者による虐待があったと判断された件数は過去最多の221件で、被害者の大半が“認知症”であったとのこと。

一方、介護事業従事者側では、加害者の多くが“若い職員”であり、認知症に対する知識や介護技術など“スキル”の問題や、ストレスや感情コントロールの問題などが虐待の発生要因として挙げられております。がしかし、追い込まれているのは決して若い職員だけではありません。そこに介護現場全体を覆う切実な背景があることは、以前から指摘されている通りであります。いわゆる“低賃金”、“過重労働”、ゆえに“人手不足”という負のスパイラル構造です。

このように一連の事件を見ていきますと、“認知症”、“人材育成”、“低賃金・過重労働”、“人手不足”など、高齢者虐待を防止するためのキーワードがいくつか浮かび上がってまいります。

まず、認知症についてでありますが、本県の認知症高齢者数は本年41日現在、53,273人。ちなみにここ数年は毎年2,0003,000人ずつ増えており、団塊世代が75歳以上となる10年後には64,800人にまで増加するとの見通しであります。

私は、果たしてこれをどのように抑制していくのか?という視点と、認知症に対する正しい理解を広げながら、認知症になってもお互いが安心して暮らせる地域社会をどう実現していくのか?という2つの視点を併せ持った取り組み、いわゆる“地域包括ケアシステム”の構築が今こそ強く求められていると思います。

そこで、お伺いします。
まず、本県における高齢者虐待の状況はどうか?また、高齢者虐待と認知症の関連についてどのように認識しているのか、ご所見をお示しください。

次に、認知症高齢者がますます増加する将来を見据えた当面の対策はどうか。また、地域包括ケアシステムの構築に今後どのように取り組んでいくのか、できるかぎり具体的に見解をお聞かせください。

次に、介護分野における人材育成と、低賃金・重労働、人手不足でありますが、これらは密接にリンクしていると言われています。

中でも最大の鍵を握るのは、賃金です。
他業種と同水準の賃金になれば人手不足の解消が進み、過重労働も緩和されるとともに、人材育成にもより経営資源が振り向けられ、結果的に高齢者にとってより多くの満足や安心につながっていく。そうしたお声を私も、これまで多くの介護従事者から伺ってまいりました。

厚生労働省が実施した賃金構造基本統計調査によりますと、2014年の福祉施設の常勤介護職員の月給は全国平均で219,700円と、全産業の平均329,600円に比べて約11万円低いとのこと。今年度は制度改正により介護職員の賃金を1人あたり月1万2000円相当引き上げるための加算措置が創設されましたが、ケアマネジャーや生活相談員は対象外であるなど不十分といった声が多いというのも残念ながら事実であります。

現行制度の中ではそもそも介護報酬は公定価格であり、事業者がサービスに応じて自由に価格を決めることができず、介護報酬を引き上げると利用者負担及び保険料も上がるしくみとなっており、それも限界に近づいているというのが今の状況であります。

そこで、お伺いします。
高齢者虐待の背景にある介護分野における人材育成と、低賃金・重労働、人手不足という密接にリンクした諸課題について、県はどのように認識し今後どのように取り組んでいくのかご所見をお示しください。

また、先に述べましたように、高齢者虐待と介護職員の置かれている状況の問題は決して無関係とは思われません。高齢者虐待を未然に防止するためには、事業所施設全体としてサービスの質を向上させていくことが肝要であり、その意味では、まず事業者自らが人材の育成や職員の処遇改善に向けて取り組む努力が求められるでありましょう。

本県におきましても、2006年度から福祉サービス第三者価事業に取り組んでおられますが、事業者がこれを積極的に活用し、職員の処遇改善や利用者のサービス向上に取り組むことにより、結果として高齢者虐待に対する抑止効果が発揮されるものと期待しているところであります。

そこで、お伺いします。
これまで約10年間、県が取り組んできた福祉サービス第三者評価事業の成果と今後の課題は何か。又、今後どのように取り組んでいくのか、見解をお聞かせください。

一方、高齢者虐待は介護施設のみならず、家庭においても顕著です。先に述べた厚生労働省の調査によりますと、2013年度の家族や親族による虐待は15,731件と3年ぶりに増加したとのことであります。

虐待を受けた高齢者からみた虐待者の続柄は、息子が41%と最も多く、次いで夫が19.2%、娘が16.4%となっており、虐待者と高齢者が2人だけで同居しているケースが約半数を占めています。

虐待の発生要因は、「介護疲れ・介護ストレス」が最も多く、一方で、被害者が介護保険サービスを受けている場合は、虐待の程度が低い傾向にあるとのことで、あらためて介護支援者という存在がいかに重要であるか、痛感せずにはいられません。

さて、本県では、20142月議会において、議員提案により「県家庭における暴力及び虐待の防止並びに被害者の保護等推進条例」を成立させています。

この条例は、「家庭内での暴力、虐待の防止や被害者の保護について、家庭における個人的な問題ではなく、社会全体で解決すべき課題であるとの認識の下に行われなければならない」ことを基本理念とし、県、市町、県民、事業者、関係機関の責務を定めています。高齢者のみならず、すべての虐待は社会全体で解決すべき課題であります。県におかれましては、条例が掲げる理念を更に広げながら、報道に聞こえるような悲痛な事件が決して起きることのないよう、虐待防止により一層のご注力を頂けますよう要望を申し上げ、お尋ねいたします。

「県家庭における暴力及び虐待の防止並びに被害者の保護等推進条例」施行から約1年半が経過しましたが、その趣旨を踏まえ、県では、家庭内での高齢者の虐待防止、被害者の保護や支援に、この間どのように取り組んできたのか、その成果と課題も併せてお聞かせください。」





<答弁要旨:保健福祉部長>
「本県の高齢者虐待に関する調査では、施設従事者による虐待は、平成24年度が3件、平成25年度が3件、家族や親族等の養護者による虐待は、平成24年度が155件、平成25年度が149件となっており、全国的に虐待件数が増えている中、本県では横ばいの状況である。 

虐待を受けている高齢者のうち、認知症のある方が、7割を占めているという全国調査の結果もあり、認知症高齢者は、記憶障害や判断力の低下等に伴う不安感や焦燥感から、徘徊などの行動障害を起こすことがあるため、施設従事者や養護者にあっては、認知症への対応に必要な知識や技術の不足に加え、介護の負担や心理的ストレスなど、様々な要因が重なりあって、虐待や不適切な介護が生じていると考えている。

高齢者虐待を未然に防止し、問題を深刻化させないためには、介護者の身体的、精神的な負担の軽減を図るとともに、高齢者や介護者が孤立しない支援体制を整備していくことが必要と認識している。



<答弁要旨:保健福祉部長>
 認知症高齢者の地域での生活を支えるためには、地域包括ケアシステムの構築が重要であり、県では、これまでに、認知症を正しく理解し、認知症の方や家族を支援する認知症サポーターの養成、医療機関と地域包括支援センターの連携の推進役となる認知症サポート医の養成のほか、認知症地域連携パス「えがおの安心手帳」を作成して、認知症高齢者の医療・介護・生活等の情報を関係者が共有できるようにするなど、地域で認知症高齢者を支える体制整備を進めているところである。

さらに、県立医療技術大学が西予市と連携して取り組んでいる、地域包括ケアシステム構築に向けた人材育成プログラムの開発を支援し、システム構築に関わる人材育成や資質向上を図るほか、市町における認知症支援体制づくりのコーディネート役となる認知症地域支援推進員の配置を促進するなど、地域を支える有為な人材を数多く育成することで、多様な職種間のネットワークを強化し、認知症高齢者等が住み慣れた地域で安心して暮らしていける地域包括ケアシステムの構築に努めて参りたい。」



<答弁要旨:保健福祉部長>
「厚生労働省の平成25年度の調査では、虐待の発生要因として、教育・知識・介護技術等に関する問題が、66.3%と最も多く、次いで職員のストレス等の問題が26.4%となっており、人手不足の状態にあって、介護知識や経験が乏しい中、職員が過度な負担やストレスを抱えながら勤務していることが、虐待の背景にあると認識している。

このため、県では、高齢者介護の実務者や、その指導的な立場にある者に対して、対象者の習熟度に合った認知症介護に関する実践的な研修を実施しているほか、昨年度から施設の職員等を対象とした研修会を開催して、職員の介護力の向上を図っているところである。

また、人材不足に対しては、多くの事業所が処遇改善加算措置の適用を受けて、介護職員の賃金増につながるよう支援するとともに、地域医療介護総合確保基金を活用して、県福祉人材センターにおける人材マッチングや、キャリアアップ研修の支援、新人職員に対する指導担当者制度の導入など、介護分野への参入・定着促進に取り組み、人材の確保に努めて参りたい。」



<答弁要旨:保健福祉部長>
「福祉サービス第三者評価事業は、事業者が、自主的に第三者の評価機関による評価を受審し、結果を公表することにより、提供するサービスの質の向上を図るものであり、本県での平成26年度までの受審は127件、四国では1位の受審実績となっている。

受審した事業所からは、「自分たちが日頃行っているサービスを見直す良いきっかけになった」、「職員の意識改善につながった」、「職員間の認識のズレ等がはっきり見える形となった」等の声が寄せられ、事業所の意識改革などの成果につながっている。
一方で本事業は、あくまでも事業者に自主的な受審を促す制度であり、受審にあたっては30万から60万円程度の費用を要することから、本県でも高齢者施設等は39件にとどまるなど全国的にも受審が広がりにくいことが課題であると認識している。

高齢者虐待の未然防止を図るためにも、事業者が本事業を積極的に活用し、職員の処遇改善を含めたサービスの質の向上に取り組むことが重要であることから、県としては、引き続き、本事業の成果の周知や、実地指導監査等での受審指導に積極的に取り組み、高齢者が安心して生活できる施設環境づくりに努めてまいりたい。」



<答弁要旨:保健福祉部長>
「家庭における暴力や虐待をなくしていくためには、条例にあるとおり、県民一人一人が社会全体の問題であるとの認識を持ち、地域社会、市町、県、行政機関、民間団体などが相互に連携して、県民総ぐるみで防止及び被害者等の支援に取り組むことが重要である。

このため、県では、リーフレットやホームページを活用して、虐待防止や被害者保護への県民の理解促進のための啓発を行っているほか、介護者の負担やストレスが虐待の主な要因であることから、認知症に関する相談窓口の設置や、認知症の方本人の想いや家族の不安などを語り合う交流会を開催しており、交流会の参加者からは、孤立感や負担感の軽減につながったとの意見が出されるなど、一定の効果を上げているところである。


なお、介護保険サービスを受けていない場合や相談に至らない事例は、顕在化しにくいといった課題もあることから、家庭内の虐待をいち早く察知する介護支援専門員や民生児童委員等と連携して、事案の早期把握に努めているところであり、引き続き、住民等への一層の普及啓発を行うとともに、県民総ぐるみによる高齢者の虐待防止、被害者支援に努めて参りたい。」

2015-12-21

2015回顧録(21)

12月定例会一般質問より

②原子力防災対策について















「次に、原子力防災対策についてであります。
NRC米国原子力規制委員会(以下、NRC)では主に、原子力防災、とりわけエマージェンシー・緊急管理対策について取り組みを伺いました。

皆様ご承知の通り、今から36年前の1979年、米国ペンシルバニア州スリーマイル島において原発事故が発生しました。

当時、世界の石油への依存度は圧倒的に高く、エネルギー資源の構成は石油が約70%を占めており、米国でも中東の石油価格政策に左右されるエネルギー構造の脆弱性が懸念される中、その代替エネルギーのエースとして原子力が登場してきた、そんな最中の原発事故でありました。

この事故を受け設立4年目であったNRCは、規制や監視をより広範囲に広げ、強固なものとしながら、以降今日までに、原子力規制の仕組みそのものを抜本的に見直し、徹底的な変革を成し遂げてきたとのこと。あくなき安全を追求するその姿勢はわが国も大いに学ぶべきでありましょう。特に、リスクマネジメントを個人の専門的能力に依存するのではなく、組織や規制のしくみ、すなわち体系的な原子力規制システムの構築に求め、永続的に改善・強化を積み重ねてゆくというNRCの取り組みについては、日本も率直に見習うべきであります。

その意味で、今回の調査で強く心に焼きついたのは、原子力に関する緊急事態に備える“しくみ”です。

それはNRCを軸とした連携システムが、連邦政府はもとより州レベル・原発立地点レベルで緻密に構築されており、しかも実践的な訓練が、スリーマイル島原発事故以来、重層的かつ定期的に行われていることであります。

特に、避難訓練に関しては、米国の場合、原子力発電所は毎年避難訓練を行うことになっており、さらに2年ごとに州政府、地元の市政府、警察、消防署、学校、赤十字等の機関が参加する大規模な訓練を行っているとのことでありました。本県に置き換えると、国も参画し、伊方原発UPZ圏内の関係機関が必ず2年に1度避難訓練に参加するイメージに近いと思います。

又、レクチャの文脈からは、NRCと市民とのとても身近な距離感を感じましたが、これはNRCが市民から一定の信頼を得ており、日常生活に根ざし定着していることの証左といえるでありましょう。

その一例としてNRCでは、避難訓練の日程や緊急コールセンターの番号、あるいは“サイレンが鳴ったらこうしましょう”、“ここを通ってこちらへ避難しましょう”といった緊急情報の入ったカレンダーを、原発から半径10マイル、つまり16㎞圏内の全戸に配布しております。日本で言う「ごみ収集カレンダー」のようなもので、緊急事態に備える重要な情報が市民生活の中に組み込まれているようでありました。長い年月をかけてそうした活動に11つ取り組んだ結果、ここまで市民権を得られるに至ったとのことであり、原発に対する賛否を超えて緊急事態に向き合う米国市民と、安全確保に向けて真摯な努力を惜しまないNRCに敬意を表したいと思います。

と同時に、わが国、なかんずく本県におきましても、あらゆる緊急事態を想定しながら、万が一にも原発事故を起こさないよう最大限の努力を重ねるとともに、避難訓練を始めとした原子力防災対策の推進に官民挙げて全力で取り組む必要性を、強く心に刻ませて頂きました。

そこで、お伺いいたします。
原子力防災に関して、県では広域避難計画を策定し、訓練による検証を通じて、その実効性の向上に取り組んでこられましたが、NRCが長年築き上げてきた市民との信頼関係を基盤とした各種の危機管理対策には学ぶべき点も多いと思うのであります。伊方原発周辺における今後の避難訓練等に生かせないかと考えますが、この点についてご所見をお聞かせください。

一方、本県においては11/89、今年度の原子力防災訓練が行われました。
ご案内の通り、これには内閣官房や原子力規制委員会、県内外の自治体、四国電力など105機関、約15,000名が参加し、過去最大規模での開催となりました。

私も初日の一部を見学させて頂きましたが、その中から本年8月、伊方町から西予市に移転開設された新オフサイトセンターについて取り上げてみたいと思います。

移転開設後初となる今回の訓練では、伊方原発で事故が発生した際、新オフサイトセンターに与えられた“現地災害対策拠点としての機能と役割”が、どのように果たされるか注目されました。

センターには、内閣府の井上副大臣や仙波副知事をはじめとする国、県、及び県内7市町、山口・大分両県、四国電力、防災関係機関等スタッフ約260名が参集し、緊迫した中で種々の訓練が行われました。

センターと、国の原子力災害対策本部、県、市町の災害対策本部をテレビ回線でつなぎ、続々と入ってくる現地情報を一同で共有しながら、住民避難や防護対策等について決定・伝達していく様子を、私もつぶさに見学させて頂きました。

今回は想定に基づく訓練ということでありましたが、スタッフにおかれましては、あってはならない万一は、いつ、どんな形で起きるかわからないといった想定外まで想定しながらの訓練でもあったと思います。

私も、例えば“センター内がかなりごった返し混雑していたが実際のところ大丈夫なのか?”、“ヘリポートや道路が損壊したら外部からのアクセスをどう確保するのか?”、“電源や通信システムがダウンした場合、多重ルートは確保されているか?”等、いくつか疑問を感じたところではありますが、今回は国と合同で行う初めての大規模訓練であり、そうした課題を11つ浮き彫りにすることこそが貴重な成果であるといえるでしょう。今後、膨大な検証がなされることと思いますが、所期の目的に照らしながらしっかりと課題を抽出し、更なる改善を積み重ねていくことが重要であります。

そこで、お伺いします。
今回、新オフサイトセンターで実施された原子力防災訓練の評価と抽出された課題はどうか。また、実施結果を踏まえ、センターの機能強化に向けて今後どのように取り組んでいくのか、ご所見をお聞かせください。」




<答弁要旨:中村知事>
「本県では、福島第一原発事故の教訓や国際基準等を反映して新たに策定された原子力災害対策指針を踏まえた広域避難計画を、全国的にも早い平成25年6月に策定し、その後も大分県・山口県の御協力により受入施設を具体化するなど、避難対策の充実強化に努めるとともに、その実効性向上のためには、関係機関との連携や、住民の方々の信頼に基づく適切な避難行動が重要であることを踏まえ、計画に基づく訓練や計画の周知にも取り組んできたところである。

訓練については、昭和55年度からほぼ毎年、緊急時モニタリング訓練を実施してきたほか、平成元年度以降は、警察、消防、海上保安部、自衛隊等にも順次参加いただくとともに、平成7年度からは住民参加による避難訓練を実施してきている。特に福島事故以降は、自主防災組織役員等を中心に、毎年数百人規模の訓練を実施して避難行動の習熟や計画の周知を図っており、今後はさらに多くの住民の皆さんに参加いただけるよう改善を重ねていきたいと考えている。

また、計画の周知については、具体的な避難方法や行動上の留意事項等を記載したパンフレットを30㎞圏全世帯に配布するとともに、地区役員や自主防災組織等を対象とした講習会、福祉・医療施設を対象とした研修会等を実施してきたほか、各市町でも地区会合で避難計画の詳細を説明するなど、その周知啓発に取り組んでおり、引き続き、市町や周辺県、国等と連携し、住民広報面では先進的な取組みをしている米国など他国の危機管理対策も参考に、避難対策のさらなる充実強化を図っていきたい。」

<答弁要旨:防災安全統括部長>
「県が西予市に新たに整備したオフサイトセンターは、国が、法令やガイドラインに定められた原発からの距離や建物の耐震化、通信回線の多重化、自家発電機の設置、複数のアクセス手段などの要件の充足を確認したうえで、センターとして指定し、本年8月から運用を開始したものである。

移転後初めてとなった今回の訓練では、万一の場合に実際に現地対策本部長として陣頭指揮を取ることとなっている内閣府副大臣や、本県副知事、重点市町の副市長、副町長など、防災関係機関から約260名の要員が参集し、首相官邸からの避難指示の伝達や、具体的な実施計画の立案・決定、国・県・市町本部間の情報共有等について検証した。

訓練では、TV会議システム等の通信設備や、発電所の状況や周辺の放射線量をリアルタイムで把握するシステムなど、ハード面は適正に機能することが確認されるとともに、運営面でも、今回ブラインド方式の採用により、若干の混乱はあったが、実践的かつ効果的な訓練になったと考えている。今後、参加者や評価員の意見や評価結果も踏まえて、成果や課題等を抽出し、オフサイトセンターの更なる機能強化に、国とともに取り組んで参りたい。」

2015-12-20

2015回顧録(20)

11/2612/11の日程で開催された12月定例会では、

9月定例会に引き続き、質問に立たせて頂きました。


以前にも述べましたが、今回は、

米国派遣調査からの提言を中心に、高齢者虐待問題や

災害廃棄物の対策についても取り上げました。



正式な会議録はまだUPされておりませんので、

質問と答弁の要旨について以下掲載いたします。

長文ですが、ご覧頂ければ幸いです。















12月定例会一般質問より 

  エネルギー政策について


「おはようございます。公明党の木村誉でございます。
いよいよ質問戦も、本日が最終日となりました。昨日は、松下議員が“理事者の剛速球に振りまけないように!”との意気込みを述べられましたが、私もそれに倣い、しっかりと、又、変化球にも食らいついてがんばりたいと思います。理事者各位には明快な御答弁をお願い申し上げ、早速、質問に入らせて頂きます。

ご案内の通り、先の9月議会において伊方原発3号機の再稼働に関する決議が議決され、10/26中村知事は四国電力と国に対し正式に同意を表明されました。それぞれに責任を伴う非常に重い決断でありました。

わが会派は、安全性のあくなき追及とともに脱原発依存に向けた着実な廃炉推進を掲げ、いわゆる“条件付賛成”という決断をいたしましたが、今後とも、原発の安全確保と廃炉推進、脱原発依存に向けて、気を引き締めて取り組んでまいりたいと思います。

さて、9月議会閉会直後の10/11から7日間、私は県議会海外派遣団の一員として米国派遣調査に参加させて頂きました。この場をお借りいたしまして、派遣議員、並びにご尽力頂きました職員・関係各位に感謝を申し上げたいと思います。

非常にタイトな日程ではありましたが、米国の原子力政策、防災・危機管理対策、エネルギー事情等を中心に、おかげさまで貴重で有意義な調査を行うことができました。本日はその概要と、そこで得た知見を元にいくつかの事柄について取り上げてみたいと思います。

まず、エネルギー政策についてであります。

ワシントンDCにあるCSIS戦略国際問題研究所では、米国で現在進行している“シェールガス革命”についてお話を伺いました。その劇的なエネルギー事情の変化は、米国内のエネルギー構造に大きな影響を与えており、シェール由来の天然ガスが急速に普及を広げ、今やベースロード・エネルギーになりつつあるとのことでした。

早ければ2017年にはLNG、液化天然ガスの純輸出国となる見通しで、近い将来、米国が、中東に依存しない世界最大のエネルギー大国となることはほぼ確実であり、それによってわが国も、経済・安全保障など広範な分野において多大な影響を受けることは免れません。

とりわけ私の印象に残ったのは、シェールガス革命による米国の原発政策への影響についてでありました。

シェールガス普及の最大の推進力となったのは、ずばり、コストであります。
これまで最も安価であった石炭に比べても圧倒的な価格優位性を実現しており、それを可能にしているのは、豊富な埋蔵量と世界初の革新的な採掘システム、この2点でありました。

そうした動きの中で、シェールガスの低価格についていけない、採算が取れないということで廃炉を決断する原発事業者が近年増えてきているとのことであり、私は、このことが脱原発依存社会を実現する上で、非常に重要な鍵を握っていると感じました。

つまり、米国においてシェールガスは、知事がいつも言われる“コスト、出力、安定供給”という3つの条件が満たされた、原子力に替わりうる代替エネルギーそのものであり、事実、その急速な普及によって、廃炉、つまり原発の縮小が進んでいるのであります。

ビジネスセオリーに照らせば当然の帰結というふうにも聞こえましたが、さらに廃炉に関しては、この数年だけでも数十兆円のビジネスチャンスがあるとのことで、今後、世界中で廃炉技術に対する需要が飛躍的に高まるだろうとの見通しが述べられました。廃炉ビジネスの大きな可能性、それは脱原発依存への道筋をより確かにしゆく光明であり、知事が国に要請された伊方原発での加圧水型の廃炉技術研究の推進という方向性は的確であると、あらためて確信が深まる思いがいたしました。

翻って、わが国であります。日本では、米国シェールガスのような3条件がそろった代替エネルギーの確保は本当に不可能なのでしょうか。

確かに周囲を海に囲まれ、エネルギーには乏しい資源小国ではありますが、一方でわが国は、世界屈指の技術大国でもあります。次世代のエネルギーとして有力視されているメタンハイドレードの実用化や将来的な水素社会の実現など、今は不可能であってもそれを可能にする力があると私は確信しております。

ゆえに、国においては、原子力を代替する革新的なエネルギー開発に全力を挙げて取り組むべきと思いますし、蓄電等の新技術の実用化に向けた研究やスマートグリッドといった新たなシステムの構築、或いは来年からスタートする電力小売の全面自由化などのような法制改革も含め、思い切った政策を加速させるべきだと思うのであります。

そこで、お伺いたします。
知事は、現在進行中の米国“シェールガス革命”についてどのように認識し、それによる国際社会の変化、わが国及び本県に与える影響についてどう考えられるのか、見解をお聞かせください。

また、将来のわが国のエネルギーのあり方についてどう考え、国においてどういった取り組みを期待するのか、ご所見をお聞かせください。」



<答弁要旨:中村知事>
「自前の資源が乏しい我が国のエネルギー政策においては、コスト、出力、安定供給といった基本条件に加え、安全性の確保や自給率の向上、更には温室効果ガス削減の観点等も踏まえた上で、各エネルギー源の強みが活かされ、弱みが補完される多層的な供給構造を目指すことが求められていると考えている。

このため、国では、「エネルギー基本計画」や「2030年度の望ましい電源構成」において、再生可能エネルギーの導入を最大限加速し、その割合を、2030年度には、2224%程度を目指すほか、メタンハイドレートなど国産資源の開発を進めることとしており、今後はこうした新たなエネルギーの導入拡大が主要な課題になるものと認識している。

しかしながら、再生可能エネルギーを巡っては、高コストに加え、出力量が小さく、供給も不安定であるほか、送電網の増強や蓄電技術の開発など、クリアすべき多くの課題を抱えており、メタンハイドレートについても、未だ資源量の調査や技術開発を行っている段階であることから、国には、今後、こうした課題解決や資源開発への取り組みの強化を求めるとともに、当面は、米国からのシェールガスの調達などエネルギー供給源の多様化や、消費国の連携による価格交渉力の強化など、我が国の経済活動の安定に向けた電力コストの引き下げや、安定供給体制の確立に、しっかりと取り組んでいただきたいと考えている。」


<答弁要旨:経済労働部長>
「米国におけるシェールガス革命は、原油価格など世界のエネルギー市場に大きな影響を与えるものと考えられ、我が国ひいては本県にとっても、シェールガス増産による価格抑制を通じ電気料金の引下げに繋がることが期待されるとともに、政治的に安定した友好国である米国からの燃料供給は、安全保障面からも大いにメリットがあると認識している。

一方で、シェールガスは、コスト、出力、安定供給といった代替エネルギーとしての一定の条件をクリアすることは期待できるが、あくまで火力発電を支える燃料であり、自前の資源に乏しい我が国では、電源構成の約9割を燃料輸入による火力発電が占め、その半分以上をLNGに依存している現状において、自給率向上などの課題を直ちに解決するものではないのではないかと考えている。

加えて、温室効果ガス削減に逆行する観点も踏まえると、現時点では、原発に代わり得る重要なエネルギー源として有望視されるものの、将来的には多様なエネルギー源の一つとして位置付けることが適当ではないかと考えている。


なお、シェールガス市場については、原油との価格競合の状況や、米国の輸出規制の行方など不透明な点もあり、今後、それらの動向にも注意しておく必要があると考えている。」

2015-12-19

2015回顧録(19)

1011月は、米国派遣調査の他にも県外視察(沖縄県)や

常任委員会、特別委員会、決算委員会など、公務がびっしり。


(沖縄県食肉センター)
































(沖縄県栽培漁業センター)

















(御菓子御殿)


















(沖縄県農業研究センター)



党務においても、斎藤幹事長代行や石田政調会長を迎え、

議員総会はじめ諸団体との会合も相次ぎました。


















特に11月は、防災に関する行事が各地で活発に行われ、

私は11/89国・県合同による原子力総合防災訓練に、







11/15雄郡、11/29新玉地区の防災訓練にそれぞれ参加させて頂き、

















現場で気づいた点等も踏まえ12月定例会の質問で取り上げました。


こちらも後日、質問をUPいたします。


そのほか、


11/12地域活性化セミナーでは、四国に足場を置きながら、

全国・世界を相手に取り組む若者たちの活躍する姿に

UIJターン拡大や県人口ビジョンの推進について、



また、11/2223えひめまつやま産業まつりでは、

県の特産品をはじめ、愛媛が持つポテンシャルの高さと

それぞれのブランディングやマーケティングについて

思いを巡らせる、とても有意義な機会となりました。




県議選での最重要テーマでもあった「地方創生」。



県政はそれを具体的な形にすることが求められますし、

議員はどのように実現していくかが問われます。



4年という限られた任期の中で、何をお示しできるか。


そこに向かって全力で挑戦してまいりたいと思います。

2015-12-18

2015回顧録(18)

10月は、今年一番の多忙に加え、

統一地方選挙とともに、最も印象に残る1ヶ月となりました。



9月定例会終了直後の10/1117までの7日間、

私は県議会海外派遣団の一員として米国を訪れました。

















原子力政策、防災危機管理対策、エネルギー事情等についての調査と、

ハワイ州との友好交流促進というのが、今回の調査目的でありました。





















詳細については、

愛媛県議会HPの海外派遣結果報告書(以下URL)に譲りますが、





9月定例会で伊方原発再稼働決議を議決した直後でもあり、


今後のわが国の原子力及びエネルギー政策を考える上で、

非常に有意義な調査となりました。
















(海外電力調査会ワシントン事務所での調査)





















(CSIS戦略国際問題研究所での調査/3枚とも)

















(NRC米国原子力規制委員会での調査)

















(えひめ丸慰霊碑にて全員で献花)

















(ホノルル市庁舎にてアメミヤ副市長と)

















(ハワイ州政府にてデービット・イゲ州知事と)




今回の調査に先立ち、私は2つの命題を持って臨みました。



すなわち


「どうすれば、原発がなくても大丈夫な状況をつくることができるか?」


そして


「原発がある間は、どうすれば最大限の安全を確保できるか?」


という命題です。




いわゆる脱原発依存への道筋と、原子力の規制及び危機管理対策。



これらの課題解決に向けたヒントを探るべく臨んだわけですが、

おかげさまで、さまざま貴重な知見を得ることができました。



鉄は熱いうちに、感動は覚めやらぬうちに。



そんな思いで私は、米国での調査概要と今回の知見を基とした提言を、

12月定例会の一般質問においてしっかり、取り上げさせて頂きました。



その内容の一部は(私自身見ることはできませんでしたが)、

地元ニュースで取り上げられたようです。



質問の全文については、後日UPしたいと思いますので


長文ですが、ご高覧いただければ幸いです。