2008-01-14

0か100か、ではないその間について

ある壮年の方から、お電話を頂く。
それは、党に対するお叱りを含む、貴重なご意見だった。

今、ガソリン税が国会の争点の1つになっているが、
公明党は、なぜ下げようとしないのか、と。

報道は、自民と民主の対立ばかり取り上げ、公明党の存在はほとんど埋没している。
どころか自民党と癒着の印象ばかり伝わり、残る。

また、生活者の党を標榜しながら、生活者の気持ちに敏感に反応していない。
まったく、民主党にお株を奪われている。

私だけでなく、まわりの多くも同じ気持ちだ。
生活者に対して、もっと敏感に反応してほしい。

そして、庶民として、支持者の1人として、
どうしてもこの思いを党本部に伝えたくて、県議であるあなたに電話をかけたのだ、という。

もう思わず、感謝の気持ちが込み上げてきた。
堰を切ったように、感謝と御礼を申し上げた。

そして、その思いを必ずお伝えすることをお約束した。
その上で、この問題の論点と党の見解について、私なりに感ずるところを率直に申し上げさせて頂いた。

正式にいうと、租税特別措置法。

その第89条第2項に定めた揮発油税の暫定税率の適用期間が、本年3月31日で、切れる。
この暫定税率を撤廃して当初税率に戻すのか、そのまま維持するのか。

というのが、この問題の主要な論点である。
但し、その歴史から検証すると、非常に複雑にして実に深い問題ではあるが。

まず、撤廃すると、税収が約2.7兆円減る。
愛媛に関していうと、市町を含めて約200億円減収という試算もあり、これでは道路整備事業はまったく成り立たない。

どこか別のところから財源を確保しようにも、あまりにも巨額すぎるため、
結局、大幅な行政サービスカットか、新たな負担増か、いずれにしても県民に多大なしわ寄せが生じてしまう。

それは困る、維持してほしい、というのが、愛媛ばかりでなく、全国の地方自治体のほぼ共通した意見だ。
わが県を含む32県議会が、道路特定財源確保を求める意見書を昨年12月議会にて可決している通りである。

一方で。

暫定税率を撤廃すると、ガソリン代が1リッターあたり、ざっと25円、値下げできる。
普通自動車なら、1回満タンで、1000円前後違ってくる計算だ。

原油の高騰が続く中、これは、庶民にとっては大きい。
暫定税率を撤廃してガソリン代を値下げしてほしい、というのは、まさに庶民の皆様の実感であろう。

公明党としては、地方自治体の声と現実の財政事情を踏まえ、ギリギリの判断で暫定税率維持のスタンスだが、
一方で、庶民の生活をしっかり守る観点から、原油高騰対策を、同時に、着実に、進めている。

地方議員との連携で。
福祉灯油の全国推進をはじめ。

離島・過疎地域の足の確保、中小企業の資金繰り支援、運送業者への高速料金引き下げや、
農漁業者への経営支援などの他、便乗値上げなどの価格監視など、諸対策を推進している。

壮年の方と、ひとしきり。
胸襟を開いた語らいを有難く感じながら、お叱りが励ましへと変わりながら。

その中で、ハッとしたことがある。
例えていうと。

0か100か、ではない、その間の落としどころを見つける議論はできないか、ということだ。

その間が、30なのか、60なのか、それとも、やっぱり0か100しかありえないのか。
どの党も、それを言わない、と。

なるほど、その通り。
すばらしい、ご指摘に感動したのである。

もちろん、税率に手をつけ出すと大変なことになる、ということは容易に推察できる。
が、汗をかきながら、それを提示することこそ、私たち公明党の役割なのではないか。

予期せぬ、1本の電話に。
深く考えさせられ、そして、受話器を置いてからも、感謝が込み上げてきた。

その壮年の方のまごころと、頂いた貴重な示唆にお応えできるよう、
しっかりと力をつけてまいりたい、ただただ、そう思った。

��写真は、愛南町・松軒山公園の風見鶏。その敏感を、見習いたい。)


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