2008-02-24

痛みを乗り越えた、その先を

最近、読んだ本。
といっても、読書もずいぶん久しぶりではある。

��日本の大逆襲」という本で、
長谷川慶太郎氏と田原総一朗氏の対談もの。

��長谷川さん、日本は大丈夫ですか?」
��大丈夫ですよ、田原さん。なぜなら・・・」

お2人の吹き出しコピーの秀逸さに、思わず興味が沸いてしまった。
なるほど、日本は大丈夫だろうか、という思いは、まさに国民共通であろう。


そして、得てして。

その答えをどこかに、そして誰かに求めてしまいがちな、
私たちの心理をついたディレクションはお見事、と思いながら、一気に読んだ。

長谷川氏の本は初めてなのだが、終始一貫、歯に衣着せぬ、なのである。
換言すると、ドキッとさせられっぱなしであった。

例えば、昨年の参院選における与党の真の敗因は“タマ”が悪かったから。
政治を変えるには、マスコミを変えなければダメ。

格差問題の唯一の解消法は、カネをバラ撒かないこと。
弱者を救済するには、弱者に自らやる気を出させること。

農業に対する過度な保護が、農業を衰退させ、過疎を進めている。
農協をつぶして、世界に売り込む農業への転換が、再生の必要条件だ。

などなど。

ドキッのオンパレードなのだが、文脈をつなげていくと、
新たな視点が発見できたような気がするのである。

それは、今、生じている格差が、
小泉路線による新自由主義政策によって生じたものではない、という視点。

それは私にとっては、疑ったこともなかった視点、であった。

そして、長谷川氏は。

戦後の日本経済の流れそのものが生んだ格差を、政治の力で逆転させることは不可能、とし、
その上で格差弱者のモチベーションを喚起させ、正しい政治的フォローが必要である、という。

新たな視点を昇華しながら、私自身。

痛みを乗り越えた、その先を。
生活者の皆様に提示すべきそのイメージを、さらに明確なものに構築しなければならない。

既成概念とか、既得権益とか。
染まらぬよう、馴染まぬよう、細心の注意とともに。

常に必要なものは、勇気だ。
読後に、感を抱いたのは、その2文字であった。

それにしても、田原氏、さすがに対談の名手であった。


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