2007-11-25

政治は、心理学であればこそ

世の中に、悩まない生活は、ありうるか。
いくつかの県民相談に対応しながら、思った。

およそ社会で生きていく以上、そこには様々なルールがある。
他者と関わりながら暮らす以上、そこには多様な感情が渦巻く。

人がルールを作り、作られたルールは人を従え、
感情もまた、人とともに生じ、人へ生じさせる。

してみると、生活は、矛盾と不思議の異名なのかもしれない。
そして、その生活をマターとする政治は、人の悩みをマターとする心理学ともいえよう。

そんなことを考えながら、「大前流心理経済学」(大前研一/講談社)を読んだ。

いつもながらだが、その仮説設定に、どっきりと、なるほどが、満載だ。
私なりに同著を要約すると。

日本経済が直面している人類史上例のないともいうべき深刻は、
日本人固有の心理に起因しているゆえに、その突破口は心理を動かすことである。

そして、そのためにはどのような経済政策が有効か、具体的に7つの方向性を提示し、
世界を再びリードする生活者大国・日本への可能性と道筋を示した書、といえる。

読み解くカギは、個人金融資産1,500兆円にダイナミズムを与える、ということであるが、
このフレーズだけ一人歩きしてしまうと、同著の意図は理解できず、誤解に終わるであろう。

第6章の集団IQの件は、良薬口に苦しで堪えたが、いずれにしても。
参考で終わらせてはいけない、というのが私の読後の所感であり、決意だ。

正しく、政治は生活者に対して、不安心理を解消するような政策を次々に打ち出すべきであるし、
そのためには、常に世界を視野に入れた大胆な仮説思考の訓練が必要であることを痛感した。

明日から又、新たな1週間が始まる。
29日には、12月議会も開幕する。

政治は、心理学であればこそ。
生活者の中へ、生活現場へ、さっそく行動開始だ。


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