2007-11-18

生活者のために、医師を守る

体調を崩したまま、2週連続の上京となり、未だ芳しからず。
ドクターストップを振り切ったツケか。

と、自宅にて少しだけ静養しながら、1冊手に取る。
「貧乏人は医者にかかるな!」(永田宏著/集英社新書)

なんとも過激なタイトルである。

一読したところ、
氏は、現今の医療崩壊の真因は、医師不足であると結論する。

そして、これは地方、あるいは、産科・小児科に限った話ではなく、
2025年までには、全国の、主要な診療科目のほとんどで生じる、
厳しい現実であると、データをひも解きながら指摘する。

では、どのような対策が考えられるか、というと、

医学部の定員を増やすか、
国外から医師を輸入するか、
患者を国外に輸出するか、

という、過去にイギリスで有効とされた3つの例を挙げ、検証を試みるが、
日本においては、いずれも決定打にはなりえない、とし、結局のところ、
4つめとして、患者にならない、という未病・予防の重要性を説いている。

氏の説を、私なりにまとめると。

加速する少子高齢化と、医師不足。
つまり、患者のパイがこのまま増大すると、今後ますます医療資源がシェアできなくなる。

従って、喫緊の課題は、そうした事実を前提とした国民皆保険・健康保険制度の抜本的見直しと、
医療のイノベーションと、健康の自己責任という国民の意識向上である、ということになろう。

医療の現場を知悉する氏の提言は、警鐘を乱打するかのように、心に響いてくる。
重たい読後感は否めないが、大いに、考えさせられた。

生活者を足場としながらも、地元の医療現場をもっともっと歩かねばならない。
そして、政治は、生活者を守るために、何としても医師を守り増やさねばならない。

強く、深く、決意した。


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