2015-12-14

2015回顧録(14)

9月定例会代表質問より

④水問題について















「水問題についてお伺いいたします。

このことについて本年8月6日、中村知事から西条市、松山市に対し提案がなされました。その内容は、これまでの調査から、加茂川と県営黒瀬ダムには西条市と松山市の水問題を解決するだけの利用可能な水があると結論した上で、その水を活用し両市の水問題を一緒に解決してはどうか、渇水時の対応を西条市と松山市の協定等で明確にルール化してはどうかなど、6項目にわたるものであります。

今から6年前の2009年6月、松山市、西条市を含め県内各地で井戸水が枯渇する事態が発生し、私も、各所へ足を運び、皆様から切実なお声を伺いましたが、そのとき改めて、水というものが私たちの暮らしにどれほど欠かせないものであるか、そして水資源の確保が地域にとってどれほど切実でデリケートな問題であるか、お叱りも含め、肌身で感じさせていただきました。

本県では、歴史的に、これまで上下水道の普及や上島町の友愛の水に代表される精神を基本に、県域を超え、市域を超え、分水を進めてまいりましたが、今後、地球温暖化の進行や人口減少の進展、第一次産業を含めた地域経済の動向などあらゆる要因が変化しゆく中で、西条、松山両市だけでなく、県下どの地域に暮らす方々にもひとしく水資源の確保というものが重要になってまいります。

さて、今回の提案について、知事は、西条、松山両市にとってプラスになる方策としているのに対し、松山市長がありがたい提案と賛意を示す一方で、西条市長は分水とはならない、と提案をいぶかしんでおり、あくまでも分水には反対との姿勢を崩しておりません。

両市の受けとめ方には大きな開きがあり、依然として歩み寄りが見られない中、広域調整を図る立場である県が、今後、どんな展開を構想するのか、両市民の関心も非常に高いものがあるわけであります。

そこで、3点お伺いいたします。

まず、第1点は、昨年9月定例会において、知事は、西条市、松山市がともに安定した水利用を確保し、地域の発展につながるような方策を提案する時期が来る、その結果がどうなるかわからないが、提案をもとに検討していく中で最もよい解決策が見えてくるものと考えている、と答弁しておられますが、今回の提案がそれに当たるのかどうか、お聞かせください。

第2点は、知事が西条、松山両市にとってプラスになると位置づけた今回の提案について、私は、必ずしも西条市民はそのように受けとめていないのではないかというふうに感じておりますが、西条市にとって具体的にどのようなメリットがあるのか、お聞かせください。

そして、第3点は、検討の結果がどうなるかわからないが、最もよい解決策が見えてくるということであります。仮に両市で折り合いがつかない結果となった場合でも解決策は見出せるのかといった声や、年月を費やした結果、振り出しに戻るということだけはないようにとの声が、私のもとにも少なからず寄せられております。

今はキックオフしたばかりの段階であり、予見は困難とも思うのでありますが、そうした指摘も踏まえて、お伺いをいたします。


県は、広域調整を図る立場から、西条、松山両市の水問題解決に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか、御所見をお聞かせください。」

2015-12-13

2015回顧録(13)

9月定例会代表質問より

③本県経済の状況について


<答弁:経済労働部長>
「次に、本県経済の状況についてのうち、まず、アベノミクスの波及効果等についてでありますが、アベノミクスの金融緩和と財政出動というカンフル剤的な政策によって、円安・株高に伴う企業業績の回復や雇用環境の改善が見られ、デフレ脱却に向けての期待感も高まりましたが、こうした恩恵は一部にとどまり、各層に広く行き渡っているとは言いがたい状況にあるのではないかと考えております。

本県でも、造船や化学などの輸出型産業に好影響が見られるとともに、有効求人倍率が22カ月連続で1倍を超え、賃金もここ半年は前年を上回るなど、雇用環境を中心に改善が続いている一方で、中小・零細企業や一般消費者は、原材料や食料品の値上げ等により、依然として厳しい状況に置かれているものと考えておりますが、こうした政策は、あくまでもカンフル剤でありまして、いつまでも続けられるものではなく、失敗するわけにはまいりませんので、その効果が効いているうちに企業や県民の皆さんが真に景気回復を実感できるよう、県内経済の好循環を実現させていくことが大きな課題であると認識をいたしております。

このため、県では、本県独自の実需の創出に徹底的にこだわった取り組みを進めてきており、今後とも、営業本部を中心に県産品の販路拡大に向けた営業活動を一層強化することで、平成30年度までに県関与年間成約額100億円を目指すほか、サイクリングや南予観光の魅力を活用した国内外からの誘客による交流人口の拡大などを通じ、地域経済のさらなる活性化につなげてまいりたいと考えております。

次に、県版政労使会議についての御質問でありますが、国の政労使会議は、経済の好循環に向けて政労使の3者が意見を述べ合い、包括的な課題解決のための共通認識を得ることを目的として設置され、着実な賃上げの促進など、さまざまな課題に道筋をつけてきた意義は大きいと認識をいたしております。

そうした意味において、県版政労使会議の設置は、本県が直面する人口減少問題への対応を初め、地域経済の活性化や仕事と生活の調和に取り組む上で一定の有効性は認められると思っておりますけれども、現在、国レベルで労使を初めとする地域の関係者が集まる会議の設置を検討する動きもありますことから、その動向を注視しているところであります。

県といたしましては、愛媛労働局や経済団体、労働団体等との連名により、6月に、えひめ働き方改革宣言を発表いたしましたけれども、まずはこうした連携もベースにしながら、いまだ十分には実感できていない本県経済の真の回復に向けて、先ほども申し上げましたとおり、実需の創出にこだわり抜いた各般の施策展開により企業収益を向上させ、県民所得の拡大につなげるための基盤づくりに全力を傾注してまいりたいと考えております。 以上でございます。」

2015-12-12

2015回顧録(12)

9月定例会代表質問より

③本県経済の状況について















「本県経済の状況についてお伺いいたします。
本年7月、財務省が発表した経済情勢報告によりますと、北海道、中国、四国、九州の景気の基調判断が、持ち直しの段階から回復の段階に上方修正され、実に18年ぶりに全ての地域で回復と判断されました。

アベノミクスの打ち出しから約2年半。株価、実質GDP、有効求人倍率、失業率など、主な経済指標において着実に改善を見せているものの、中小零細企業や生活者など、私の周辺で伺う限り、残念ながら景気回復という実感は余り聞かれません。むしろ、昨年の消費増税に加え、円安による輸入物価が与える物価上昇などから、個人消費も設備投資も手控えが続いているというふうに感じています。

さて、国では、2013年9月、公明党の提唱により経済の好循環実現に向けた政労使会議を立ち上げ、これまで10回にわたり、政府、経済界、労働団体の3者で、賃金上昇や雇用拡大の方策について議論が積み上げられてまいりました。その最大の成果となるのが、賃上げであります。

連合が7月にまとめた春闘の最終結果によりますと、定期昇給を含む賃上げ率は2.20%で、2年連続で前年同時期を上回っております。その意味で、この政労使会議が果たした役割はまことに大きいと言えますが、一つ残念なのは、これはあくまでも大都市、大企業が中心の成果だということであります。地方が景気回復を実感できない限り、デフレ脱却はあり得ないわけで、大都市や大企業で先行する賃上げも、景気回復の実感も着実に地方へ波及させていくことが肝要であります。

そこで、お伺いいたします。
まず、デフレ脱却と景気回復を最大の眼目とするアベノミクスについて、本県経済におけるこれまでの波及効果はどうか。また、今後の課題は何か、御所見をお示しください。


次に、国において政労使会議が一定の成果を上げる中、私は、景気回復を積極的に地方にも呼び込むべく、本県においても、愛媛労働局、商工団体、経営者団体、労働団体等と連携し、仮称愛媛県版政労使会議を設置してはどうかと考えます。特に本県では、少子化に加え、人口流出に歯どめがかからない若者に対して、所得拡大や処遇改善に向けた取り組みを進めることは喫緊の課題であり、地方創生やワークライフバランスなどの視点も踏まえながら、政労使で話し合う場を設置することは大変有益であると考えるのでありますが、見解をお示しください。」

2015-12-11

2015回顧録(11)

9月定例会代表質問より

②県人口ビジョンについて


<答弁:保健福祉部長>
「県人口ビジョンについてのうち、合計特殊出生率に関する御質問にお答えを申し上げます。

合計特殊出生率の引き上げにつきましては、少子化の主要因である未婚化、晩婚化、晩産化への対策といたしまして、未婚の男女への出会いの場の提供を初め、妊娠、出産、子育ての切れ目ない支援を総合的に進めることが重要でございまして、県では、第2期えひめ・未来・子育てプランに掲げる各種施策に、市町や子育て支援団体、企業等と連携し、オール愛媛で取り組んでいるところでございます。

特にえひめ結婚支援センターによる20代向け結婚支援イベントの開催や、中高生や大学生などの次代の親世代を対象とした乳幼児との交流等のほか、若い世代が気軽に利用できる子育てスマートアプリの開発に取り組んでおりまして、さらに、夫の家事・育児時間が長いほど第2子以降の出生割合が高いとの調査結果も踏まえまして、夫の育児等への積極的な協力を促す取り組みの強化など、本県ならではの対策を進める所存でございます。

また、全国調査によれば、女性が希望の子供数を持たない最大の理由は、子育ての経済的負担であり、3人目に焦点を当てた経済的支援は重要と考えておりますが、地方単独施策で実施してきた子供の医療費助成や第3子以降の保育料無償化などの経済的な負担軽減策は、本来地域格差が生じないよう国が制度化すべきものであり、引き続き国に対して少子化対策の抜本強化を、全国知事会等を通じ強く要請してまいりたいと考えております。 以上でございます。」

<答弁:企画振興部長>
「県の人口ビジョンに関連して、移住・定住施策の実績と今後の展開についてお尋ねがございました。

県ではこれまで、愛媛ふるさと暮らし応援センターを核としまして、移住に向けた情報提供や支援を行うとともに、移住希望者と受け入れ地域のマッチングなどに取り組んできたところでございますが、さらに今年度から首都圏への移住コンシェルジュの設置や移住フェアの開催、空き家の掘り起こしなど、新しい取り組みにも着手をしているところでございます。

これまで県や市町が関与した移住の実績でございますが、取り組みを開始した平成19年度以来、おおむね増加傾向で推移をしておりまして、26年度末までの累計で220世帯、425人となっております。

この移住者の傾向を地域別に見ますと、東京、大阪などの大都市圏からの移住者が全体の半数程度を占めております。また、年齢別に見ますと、50歳未満の比較的若い世代が64%となっております。

また、移住先では、人口減少が深刻な南予地域が6割強ということになっておりまして、政策面でも一定の効果は上げているものと考えております。

さらに、現在策定中の県の総合戦略におきましても、本県出身者のふるさと回帰に加えまして、大都市圏住民を主要ターゲットとした県内移住の促進を重要施策として位置づけておりまして、今後、重点的に進めることといたしております。また、これを先取りする形で、この9月の補正予算におきまして、地方創生交付金を活用して、移住マッチングシステムの構築や愛媛の仕事に特化した移住フェアの開催などに要する新しい取り組みの経費も計上させていただいているところでございます。

県版の人口ビジョンの骨子では、2020年代に人口の社会減を解消することを目標に掲げておりまして、今後、あらゆる世代をターゲットに、移住者の一層の増加を図るため、市町や団体との緊密な連携のもと、就業や起業等も含めた移住希望者の幅広いニーズに即応できるきめ細かなサポート体制を構築して、積極的かつ効果的な移住施策を、今後、より一層展開してまいりたいというふうに考えております。」

<答弁:経済労働部長>
「まず、県人口ビジョンについてのうち、若者の地元企業への就職支援についての御質問にお答えいたします。

県では、若者の地元企業への就職に向け、ウエブでの企業情報の提供や職場見学会等によりマッチング支援のほか、県外の若者に対しては、ふるさと愛媛Uターンセンターでの就職支援や大都市圏での四国4県合同会社説明会等を実施する一方、企業に対しては、採用や職場定着の成功例の紹介や若手社員向け育成・定着支援セミナーの開催などに努めているところであります。


国が提唱しております奨学金返済支援のための基金造成は、日本学生支援機構の奨学金を対象に、自治体出捐金と地元産業界等の寄附金による基金を設置しようというもので、趣旨は理解できますものの、このような制度は、本来国において全国統一的な制度設計や基金造成がなされるべきでありまして、多様な地域や産業を有する県レベルの導入には慎重な検討が必要ではないかと考えており、他県の状況や同様の制度導入を準備している新居浜市等の取り組みを見守りたいと思いますが、いずれにいたしましても、県としては、引き続き中高生への地元企業の理解促進やさまざまなアプローチによる就職支援に努めますとともに、今回の補正予算において地方創生交付金を活用し、県が開催する会社説明会や企業見学会に、往路分の交通費を負担することで、より多くの県外学生の参加を求める新たな事業も計上させていただいておりまして、できるだけ多くの若者が、次代を担う人材として県内に就職・定着できるよう、しっかり支援してまいりたいと考えております。」

2015-12-10

2015回顧録(10)

9月定例会代表質問より

②県人口ビジョンについて















「次に、愛媛県人口ビジョンについてお伺いいたします。

県は、これまで検討を進めてきた人口ビジョンについて取りまとめ、7月23日、その骨子を発表しました。

それによりますと、このまま推移すれば、2060年時点で約81万人にまで人口減少が進むと見られる本県人口を、出生率向上や社会減をゼロにするなどしていく中で、20万人以上上積みし100万人を目指すとのことであります。人口減少に歯どめをかけ、県内活力の維持・向上を目指すという意欲的なビジョンの実現に、私ども公明党も大いに期待を寄せたいと思います。

さて、言うまでもなく、人口の増減は、自然増減と社会増減の総和で決まります。本県の場合、いずれも減少しており、昨年の調査では、自然減が7,130人、社会減が3,512人、合計1万人余りの減少となっています。

人口を下げどめるには、双方の観点から取り組みを進める必要がありますが、私が所属する少子・高齢化社会対策特別委員会でも痛感するのは、その議論の対象となる範囲の広さであります。関係しない部局はないと言っても過言ではありません。

したがいまして、今回の質問は、出生率と移住・定住促進、この2つに絞り取り上げたいと思います。

まず、1人の女性が一生に産む子供の平均数である合計特殊出生率についてであります。

このことは、多くの要因が組み合わさり、簡単に上がり下がりするものではなく、国内外を問わず、成果を上げている事例を見ましても、いずれも10年以上という長いスパンで取り組んでいるものがほとんどであります。その意味では、本県の人口ビジョンにおいて、若い世代の就労、結婚、子育ての希望実現を目指しながら地道に取り組み、段階的な上昇を見込むとしているのは妥当と言えるでしょう。

一方、自然減の抑制あるいは自然増を目指すには、合計特殊出生率が人口置換水準を超えるものでなければなりません。これについて県では、2014年現在1.50である合計特殊出生率を、2040年に人口置換水準である2.07まで引き上げたいとしています。問題は、そこへの道筋をどう描くかですが、それについて興味深いデータがございます。

厚生労働省が2013年に実施した第2回21世紀成年者縦断調査によりますと、独身者のうち、子供は必要ないと考える人の割合がふえる一方、既婚者では、子供は3人以上欲しいとの回答割合がふえており、価値観の二極化が進みつつあると分析しています。結婚も子供も個人の意思によるものであることから、いずれも不要とする個人の価値観に政治が関与する際には慎重さが求められますが、近年ふえている子供がたくさん欲しいという層には、希望する数の子供が持てるような環境を整えるべくスピード感を持って取り組むことが大事であると私は考えます。

そうした観点から見ますと、2人目以上の多子世帯支援を傾斜的に実施していくこと、つまり人口置換水準2.07を視野に入れれば、3人目以上をどう引き上げていくかが施策上重要なポイントとなってまいります。さきの調査では、既婚者のうち、子供を3人以上欲しいという人の割合は46%強、しかし、実際に3人以上いる人の割合は約27%ということであり、私は、このギャップを埋めていくことが出生率向上にとって大きな鍵になると思うのであります。

ここで、少し古いですが、直近ということで2010年の国勢調査を見てみますと、本県における母親が20代・30代の世帯のうち子供が3人以上の割合は約13.5%、直近2014年の出生数、1万399人に13.5%を当てはめますと、約1,400人が3人目の出生と類推されます。

3人目を推奨するために、例えば、子供の医療費や保育・教育費、親の就労支援あるいは現金給付を含め、仮に1人100万円のインセンティブを整えるとして約14億円、これは、財政上の戦略判断次第であり、事業の選択と集中を徹底し、市町との費用負担等の工夫で捻出可能と思われ、3人以上持ちたいとする46%強の方々の希望実現に向けて確かな追い風になると思うのであります。

そこで、お伺いいたします。
県は、2040年の合計特殊出生率2.07への引き上げに向けてどう取り組むのか。私は、とりわけ3人目に焦点を当てた取り組みが重要であり、県人口ビジョンの実現につながっていくと考えるのでありますが、見解をお聞かせください。

次に、移住・定住促進についてであります。
昨年9月に開催された第1回まち・ひと・しごと創生会議において、石破大臣が、地方創生に向け最初に示した方向性が、東京一極集中に歯どめをかけて地方への移住を促進するというものでありました。

昨年8月、内閣官房が行った調査によりますと、東京に在住する50代男性の約半分が地方移住を希望していることが判明。それを受け本年6月4日日本創成会議から本県の松山市、新居浜市を含む全国41地域への移住を提唱する東京圏高齢化危機回避戦略が発表され、今議論となっておりますことは、皆様御案内のとおりであります。

現在、政府においては、元気な50代、60代の方々が地域で働いたり、もう一度大学で学んだり、居住するコミュニティの一員として生きがいを持って暮らすことのできる日本版CCRC構想の検討を始めたところでありますが、若い世代に対しても、大学卒業後、地元で就職、定着してもらえるよう奨学金の返還を支援するための基金の造成を地方に促しているほか、企業に対しては、東京から地方へ本社機能の移転を促す支援措置を打ち出し、政府機関の地方移転についても、今年度中に結論を出す方向で検討を進めているなど、地方への移住促進にこれまでにない本気度を示しています。

一方、我々地方としても、国の方針をただ受け入れるという受動的な態度ではなく、何としてもこの移住促進というモメンタムを取り込んでいくのだという積極性と覚悟が求められてまいります。

和歌山県では、今年度から移住・定住大作戦と銘打ち、若い移住者に最大250万円の奨励金を用意するなど、年間1,000世帯を目標に取り組みを開始したそうでありますが、ここは同じミカン県として負けるわけにはまいりません。

そこで、お伺いいたします。
本県のこれまでの移住・定住施策の取り組み状況と実績はどうか。そして、県版総合戦略においてどのように位置づけ、具体的にどのような目標のもと取り組もうとしているのか、御所見をお聞かせください。

また、一般に、地方から若者が流出するのは、大学等に進学する18歳時、就職する22歳時に多いと言われておりますが、流出に歯どめをかけるためには、特にこの2つの時点を念頭に置いた対策が求められると思います。現在、国では、若者の地域への就職、定着を促進し、かつ地域の中核企業等を担う人材を確保するため、地方自治体と地元産業界が連携し、学生の奨学金返還を支援するための基金を造成するよう促しておりますが、こうした地元企業への就職を促進、支援する取り組みは、若者の流出を防ぎ、地元への定着の流れをつくるのに極めて有効であると考えるのであります。

そこで、お伺いをいたします。

県は、若者の地元企業への就職を促進、支援するためにどのように取り組んでいくのか。国が地方に対し奨学金返還支援のための基金の造成を呼びかけていることも含め、御所見をお示しください。」

2015-12-09

2015回顧録(9)

9月定例会代表質問より

①原発再稼働問題について


<答弁:中村知事>
「木村議員に、まず、原発問題のうち、国への要請に対する回答についての受けとめ方の御質問にお答えをさせていただきます。

先般、経済産業大臣に直接要請した8項目は、国からの伊方原発3号機の再起動要請に対して、改めて国の考え方などを確認したものでありますが、9月11日に資源エネルギー庁長官が来県され、文書回答をいただいたところでございます。

その中で、まず、大洲・八幡浜道路の整備促進と大分県への避難訓練に対する協力につきましては、関係省庁と連携して対応するとの回答があり、前向きの姿勢と評価させていただいております。

また、伊方原発の緊急時の作業スペース確保につきましては、四国電力から土地造成等に取り組んでいくとの報告があり、国からも指導していくとの回答もいただいておりますので、今後、計画の具体化を確認していきたいと思っております。

使用済み燃料の中間貯蔵及び最終処分については、これは、非常にすぐにできる話ではありませんが、現在進めている国の取り組みについて説明をいただきました。現実に具体化していくことが重要であり、進捗状況を見守ってまいりたいと思います。

伊方発電所における廃炉技術の研究につきましては、四国電力との協力のあり方を検討するとされておりましたが、伊方原発1号機の廃炉時期にかかわらず、これまで廃炉実績のない加圧水型炉のモデルケースとして、中・長期的な研究が必須と考えておりますので、引き続き県内企業の持つ先端技術との連携等も含め、検討を求めていきたいと思います。

経済産業大臣の現地視察については、適切な時期に実施できるよう調整していくとされており、大臣御自身も折を見て現地を訪問したいと発言されているところでございますが、今の段階で日程等は、まだ確定をしておりません。

内閣総理大臣の発言については、今回は、引き続きコミュニケーションをとっていくとの中間的な回答と受けとめていますが、特にこの項目は、知事として、県民を代表して、国政の最高責任者たる総理の言葉を直接確認したいとの思いで要請しているものであり、必ずや当たり前のことでございますから、お受けいただけるものと信じているところでございます。

これら国からの回答状況は、知事メッセージ等により広く情報発信しており、また、今後の国からの回答の進展についてもありのままにお伝えしたいと考えていますので、県民の皆さんの議論をいただきたいと思います。

次に、万一事故が発生した場合の責任と役割についての御質問でありますが、最も重要なことは、そもそも原子力災害を発生させないことであり、原子力発電所の安全確保に関する責任は、第一義的には原子炉の設置・運転者である事業者にあり、さらには災害の防止上、支障ないとの許可基準に照らして許可・不許可の判断を行う原子力規制委員会にあると思います。

それでも、万一事故が発生した場合には、事業者はもちろんのこと、国や自治体など関係者が連携、協力して、事故収束、また、災害応急対策、損害賠償、復興対策に当たる必要がありますが、いずれも最終的には国が責任を持って統括するべきものと考えます。

なお、現状においては、原子力災害対策特別措置法や原子力損害賠償法などが制定されておりますが、これによりますと、重大事故時には、総理が原子力緊急事態宣言を行うとともに、原子力災害対策本部長につき、地方公共団体等へ必要な指示を行うなど、国が責任を持って原子力災害対策を統括することと書かれています。

また、原子力事業者が自己損害賠償責任を有するが、事業者の能力を超える損害賠償については、国が最終的には事業者を援助することという文言になっております。こういう定めがありますが、解釈によってはいろんなとり方もできるように思われるため、伊方原発3号機の再起動に関する判断に当たっては、国政を統括する総理から、万一事故が発生した場合のこれら国の責任に関する認識と、その責任を全うしていくという、そういうお気持ちを、ぜひ直接お聞きしたいと求めているものでございます。」

<答弁:県民環境部長>
「原発再稼働問題のうち、廃炉についての御質問にお答えさせていただきます。

原子炉等規制法では、原発の運転期間を原則40年と定め、運転延長期間中にも設備の健全性を維持できることが確認されれば、1回に限り最大20年の延長を認めることとされております。

国では、今後40年を超える運転延長を一切しなかった場合には、2030年時点で稼働している原発は、全国で23基にとどまり、電源構成の目標としている原発比率20から22%程度の達成に必要な、おおむね30基台半ばの稼働を大きく下回ることになるが、40年経過した一定数の原発が規制委員会の審査をクリアし、運転延長を行うことができれば達成可能としております。

県としては、将来的には脱原発を目指すべきものの、それぞれ、出力、型式、運転履歴、保守状況等が異なる個別の原発の廃炉判断につきましては、一義的にはまず事業者が行うべきものと考えます。

伊方原発1号機につきましては、来年9月末までに四国電力が最終判断したいとしておりますので、県としてどう対応するかにつきましては、伊方原発を取り巻く状況等を十分に踏まえ、慎重に検討してまいりたいと考えております。」

2015-12-08

2015回顧録(8)

9月定例会代表質問より 

①原発再稼働問題について















「公明党の木村誉でございます。昨年夏の広島土砂災害がいまだ記憶に新しい中、今夏も先般発生しました東日本豪雨災害を初め、台風、火山噴火など、甚大な自然災害が相次ぎました。改めて犠牲となられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災者の皆様に衷心よりお見舞いを申し上げたいと思います。

本県におかれましては、引き続き油断を排し、スピード感を持ちながら防災・減災対策の強化にお取り組みいただけますようお願いを申し上げまして、会派を代表し、質問に入らせていただきます。

まず、原発再稼働問題についてであります。
初めに、国のエネルギー政策に関する私たち公明党のスタンスにつきまして、改めて明確にしておきたいと思います。

それは、原発に依存しない社会、原発ゼロ社会の実現です。同時に、その目指すべき将来は、あくまでも現実的なものでなければならないと考えております。代替となる再生可能エネルギーの普及・拡大、省エネの促進、そして、火力発電の高効率化、この3つを柱に、持続可能な経済社会の構築と発展を両立させながら、徐々に原発への依存度を減らしていくという合理的な道筋をつけゆく中で初めて可能となる、私たちは考えております。

さて、この夏、原発再稼働に関して2つの大きな動きがありました。

一つは、7月15日、伊方原発3号機の安全審査について原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認定し、それを受けた政府から7月17日、本県に対し正式に再稼働の要請があったこと。

もう一つは、8月11日、国内全ての原発が運転停止する中、約2年ぶりに鹿児島県川内原発1号機が新規制基準のもとで初めて再稼働したことであります。

御案内のとおり、国においては、昨年、エネルギーの安定供給、経済性、環境適合性等の観点から、原子力を重要なベースロード電源と位置づけ、原子力規制委員会の新規制基準に適合すると認められた場合には、原発再稼働を進めていくとの方針を明らかにしました。

果たして、7月17日本県に宛てた政府文書もその方針に沿ったものであり、これを受けた中村知事は、7月21日、宮沢経済産業大臣を訪問し、その会談の中で8つの要請を行いました。知事はこれを再稼働の前提条件とはしないとしておりますが、私は、県議会における今後の議論、さらには、再稼働の可否を判断する際の重要な要件になるものと考えます。

先ほど申し上げましたとおり、公明党としては、将来的に原発ゼロ社会を目指しており、伊方原発3号機の再稼働については、何よりも安全性の確保を第一とし、同時に原発ゼロ社会に着実な道筋をつけていくということが重要と考えております。その意味では、今回の8つの要請の中でも、特に伊方原発における廃炉技術研究について着目しているのであります。

御案内のとおり、伊方原発1号機は、間もなく運転開始後38年を迎えます。40年で廃炉という原則に照らせば、あと2年ということになります。廃炉となれば、原発ゼロに向けて一歩歩みを進めることとなりますが、一方で、これまでに伊方と同型の加圧水型原子炉の廃炉実績はなく、本当に廃炉は可能なのかとの不安は拭えません。

加えて、廃炉となれば、最も打撃を受けるのは、立地点である地元伊方町を初め、原発に関連しながら生活を営む多くの方々であります。そうした方々が安心して将来を描くことができるよう、それにかわる雇用や経済環境についてもしっかりと整えていかなければなりません。その意味で、国は加圧水型原子炉に広く適用できる廃炉技術研究を伊方原発において展開されたいとの知事の要請に、私どもは大いに賛同するのであります。

公明党は、40年廃炉という原則は厳格に運用すべきであり、伊方原発1号機については確実に廃炉に向かうことを期待しておりますが、そのためには、先ほども申し上げましたとおり、代替エネルギーの確保はもちろん、地元住民や関係者の方々が抱える生活の不安、廃炉の技術や安全性に対する不安、使用済み核燃料の中間貯蔵や最終処分の見通しに対する不安など、さまざまな不安や同時に横たわる課題について一つずつ払拭していかなければならないと思います。

今回、川内原発が新規制基準のもとで初めて再稼働したわけでありますが、40年廃炉という原則を全ての原発で厳格に適用すると、2030年度の電源構成における原発依存度の目標20ないし22%を大きく下回るため、一部の原発については、特例となる20年延長を既に織り込んでいるのではないかとの見方があります。となると、国はなし崩し的に原発依存社会に戻そうとしているのではないかという疑念さえ浮かんでまいります。

そこで、2点お伺いします。

まず、知事が国に対し行った8つの要請について、9月11日、資源エネルギー庁、日下部長官との面談で回答が寄せられましたが、それについて知事はどのように受けとめているのか、見解をお聞かせください。

次に、2030年度の電源構成の原発依存度20ないし22%という目標設定における40年廃炉の位置づけと、伊方原発1号機を含めた今後の廃炉のあり方についてどのようにお考えか、御所見をお示しください。

そして、さらに申しますと、起きてはならない万一の事故が発生した際に、その責任は誰に帰すのかということが依然として明確になっていない、そうした中での再稼働ということが最も大きな不安材料として指摘されています。法律上、一義的には事故の責任は事業者となるわけですが、福島第一原発における事故の収束、廃炉、汚染水対策、除染、賠償、帰還支援など果たすべき責任の重さは、とても事業者だけで担い切れるものではありません。

知事がこれまで何度も、最終的な責任を持つ総理大臣の言質を国に求めておられますとおり、最後は国の責任ということを明確に打ち出すべきであります。その上で、国と事業者、もちろん地方自治体も含めてでありますが、万一の際の責任と役割について、法制の見直しも含め明らかにする必要があると思います。

福島原発事故以来、今なお国民の半数以上が原発を使わなくて済む社会を望んでおり、直近の各種世論調査でも、国民の過半数が再稼働反対を示している中で、原発に依存しない社会への道筋が曖昧ということでは、地元はもとより幅広い県民の理解は得られないのではないかと思うのであります。

そこで、お伺いいたします。

知事は、万一の事故が発生した際の責任と役割はどうあるべきと考えられているのか、御所見をお示しください。