2018-06-11

6/11マンデー街頭「セルロスナノファイバーについて」

















どんよりとした週明け、萌える紫陽花。

皆様、おはようございます。公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。

先週は、環境保健福祉委員会と経済企業委員会合同による、東予地方局管内の視察が行われました。

その中で、四国中央市の「愛媛県産業技術研究所・紙産業技術センター」では、夢の新素材といわれるセルロスナノファイバー(以下、CNF)の取組みについてお話を伺いました。本日は、このことについてご報告したいと思います。

ご案内の通り、四国中央市は紙製品の出荷額が全国第一位の“紙”の町です。

従いまして、紙に関連する産業に従事する人がとりわけ多く、1人あたりの県民所得が、実は県下20市町でトップを走る、そんなお土地柄の町なのです。

その“紙”ですが、原料となるのは当たり前ですが“木”、です。正確に申しますと、“木”に含まれる植物繊維であり、パルプです。

CNFは、そのパルプをさらにナノレベル(10億分の1)まで細かくすりつぶした“補強用繊維”なのです。

そして、このCNFが今、高機能な最先端素材として世界から注目を浴びています。

国におきましても、経産省、環境省、農水省など、縦割りを超えた国家的プロジェクトとして、実用化、産業化に向けて急ピッチで研究開発を進めているところでございます。

このCNFの特性を具体的に申しますと、まずは、軽くて強いということ。

鉄の1/5の軽さにも関わらず鉄の5倍の強度を持ち、しかも変形しにくい素材。

自動車の車体や住宅設備、コンクリート素材等への活用に大きな期待が寄せられています。

また、透明なCNFは光を通しますが、ガスは通しません。

そのため、食品向けの機能的なパッケージや海水淡水化のフィルターなどへの展開が期待されています。

また、粘りがあって微粒子、どんな原料にもなじませることができるので、液体や固体などさまざまな素材への応用が可能です。

既に、かすれない、インク玉のできないボールペンが実用化されており、欧米を中心にベストセラー商品になっています。

以上ざっくりと、CNFのイメージについてお伝えしましたが、

次は、視察先の「紙産業技術センター」を拠点に、現在進められている“四国CNF構想”について触れたいと思います。

平成285月に、香川県の四国産業技術振興センターが中心となって四国経済産業局、四国4県、関係機関が連携した「四国CNFプラットフォーム」が設立されました。

その目的は、「低コストで大量供給型の製造方法の確立」と「地域産業に適した用途展開」による「CNFの早期実用化」の実現です。

その中核を担うのが、わが「愛媛大学・紙産業イノベーションセンター」なのです。

こちらでは、大王製紙など地元の製紙会社をはじめ、各県の民間企業との共同研究や、試験機関への技術支援、民間企業と普及支援機関の共同事業のサポート等が行われています。

愛媛大学の内村センター長によりますと、“四国CNF構想”の実現には、3つのステップが必要であり、

まずは、セミナーや交流会を通じてCNFについて学ぶ場=裾野を広げる第1ステージ、

次に、試作や実習を行いながら交流を重ねる第2ステージ、

そして、最終製品として開発し実用化される第3ステージ、

この3つのステップアップが必要で、そのプロセスを経て早くもこの間、実用化の事例が生まれているそうです。

一般に、裾野が広いほど頂上は高くなると申しますが、

その意味では、“四国CNF構想”の中核を担う本県こそ、CNFに対する理解が最も進み、期待の高まる地域となるよう、私も自身の立場で尽力してまいりたいと思います。

一方、県におきましては一昨年、CNF関連産業の推進方針を定め、独自の取り組みが進められています。

大学、国、企業などの専門家で構成される検討会を設置し策定した「CNF関連産業振興ビジョン」のもと、紙産業、繊維産業、食品産業、複合材料といった分野別に部会を設置し、それぞれにおける試作品の開発が着実に進められているのです。

CNFは、2030年には年間1兆円が見込まれる有望市場です。本県が、仮に2割のシェアを獲れば2,000億円。その経済的なインパクトは、基幹産業である第一次産業のDGPを大きく上回ることになります。

紙産業が集積する、文字通り、四国の中心である四国中央市におきまして

紙産業技術センター」、「愛媛大学・紙産業イノベーションセンター」が中心となり、

“四国CNF構想”を推進する本県は、全国トップクラスのポテンシャルを有している、と私は確信します。

人口減少時代において地域経済の衰退が懸念される中、

CNFという新たな産業の創出と確立は、本県の地方創生にとって切り札ともいうべきプロジェクトなのです。

県政発展につながる大きな期待成果がもたらされますよう、私も全力で取り組んでまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」

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