2017-05-08

5/8マンデー街頭「ひめボス推進キャンペーン」















「おはようございます。
公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。

 期間中、概ね天候に恵まれた今年のGWでしたが、皆様いかがでしたしょうか。私も家族での外出や溜まった本の一気読みなど、おかげさまでゆったりと過ごすことができました。充電を力に変えて活動再開、今週もがんばってまいりたいと思います。

 さて、本日は県が進める「ひめボス推進キャンペーン」についてご報告いたします。

 この、“ひめボス”。正直、お聞きなじみのない方が殆どではないかと思いますので、“イクボス”の話から始めます。

 “イクボス”とは、職場で共に働く部下やスタッフのワークライフバランスを考え、その1人1人のキャリアと人生を応援しながら、かつ、組織の業績にも結果を出しながら、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司、リーダーのことを指す言葉です。

 県ではそれに加えまして、愛媛の活性化を願い愛媛で働く人を応援する、そんなリーダーを“愛媛県版イクボス=ひめボス”とネーミングし、県下に“ひめボス”の輪を広げようと取り組みをすすめているところでございます。

 その背景には、少子高齢化に伴う人口減少という深刻な課題があります。

 今から20年後には、県の生産年齢人口が現在の約85万人から30万人も減少し、現役世代が急速に減少する一方、子育てと介護、いわゆるダブルケアで時間に制約を持った労働者が急増するといわれています。

 そうした見通しの中で、働く人を確保し、地域と産業を維持・活性化させるためには、長時間労働の削減や柔軟な働き方の実現など男女が共に働きやすい、働きがいのある職場環境の整備が待ったなしで求められているのであります。

 そこで、まず隗より始めよ!ということで、1月、中村知事が“県庁の全組織がそういう職場を目指します!”と“ひめボス宣言”を行いました。次いで2月には県下の全20市町の首長が同様に宣言を行い、おかげさまで現在、県内の様々な企業・団体の258事業所にまで“ひめボス”の輪が広がってまいりました。

 国では、こうした働き方改革を進めるため、3/28、戦後から今日に至る雇用慣行の見直しに踏み込んだ実行計画をまとめ、2019年度からの実現をめざしているところであります。

 例えば、長時間労働の是正はもちろん、同一労働同一賃金の導入、最低賃金の引き上げや転職や再就職の支援、女性・若者の活躍推進、子育て・介護と仕事の両立など、働き方改革の方向性は9つの分野にわたります。

 特に、長時間労働の是正はとりわけ重要です。少子化の改善に直結するからであります。

 例えばある会社では、長時間労働廃止後、深夜労働が86%削減され、企業内の出産数が1.8倍になった事例が見られ、また、別の調査では、夫が週末の家事・育児時間がゼロの家庭で第2子が生まれているのは約1割なのに対し、夫が週末に6時間以上家事や育児に関わる家庭では8割が第2子に恵まれているということが判明した事例もあります。

 これは、家事や子育てに関して夫婦共通の時間が多いほど子どもの数が多いということで、長時間労働の是正が少子化問題を改善する貴重な証左といえそうです。

 その他、長時間労働が減りますと、保育園の延長利用が少なくなります。赤字を抱える自治体にとっては赤字が減り、その分、保育士の確保と定着が進みます。

 又、居宅介護もしやすくなり、介護保健の財政上もメリットが生まれます。そのように考えますと、長時間労働の是正は正に「働き方改革の要」といえるのではないでしょうか。

 労働人口の減少を克服するには働き方を変えていく必要があり、そのためには何よりも会社のトップ、職場のリーダーの意識改革が欠かせません。

 そこで県として、“愛媛県版イクボス”である“ひめボス”を増やしていくことが、県全体の働き方を大きく変えていくことに繋がると考え立ち上げたのが、「ひめボス推進キャンペーン」です。

 現在、その主旨に賛同いただける事業所を募集しているところですが、手続きはいたって簡単です。

 県のHPを参考に、各社・各事業所で“ひめボス宣言書”を作成して頂き、そのコピーと、女性活躍推進の自主目標を、県に提出すればOKです。

 手続きが終わりましたら、県のHPに“ひめボス”事業所として掲載させて頂きます。

 “ひめボス”宣言することによりまして、働き方改革に取り組む事業所として対外的にアピールすることができますし、他にも“ひめボス”シンボルマークの使用や、県が主催するセミナー、“ひめボス”ハンドブックなど様々な情報が届けられるというメリットがあります。

 ぜひ、多くの事業所の経営者、管理職の皆様に“ひめボス”の輪に参加して頂ければと思います。本日は「ひめボス推進キャンペーン」についてご報告させて頂きました。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」

2017-05-01

5/1マンデー街頭「常任・特別委員会での論戦から」
















「皆様、おはようございます。
公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。

 爽やかな週明けとなりました。今日から5月、GWも始まりました。今年は最大9連休ということで、アウトドアからインドアまでいろんな楽しみ方ができそうですが、くれぐれも事故などございませんよう、そして思い出に残る素敵なGWとなりますよう心よりお祈り申し上げます。

 さて、県議会では先週、常任委員会と特別委員会が開催されました。本日は、私が所属する経済企業委員会、少子高齢化社会調査特別委員会での主な内容についてご報告いたします。

 まず経済企業委員会です。こちらは、県の経済労働部と公営企業管理局を所管する委員会であり、今回は「公営企業における再生可能エネルギーの活用について」を議題に審査を行いました。

 本県には9つの発電所があり、各所で水力発電事業を行っています。ご案内の通り、2012年から再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)がスタートしましたが、これは2011年の東日本大震災・福島第一原発事故を受け、国がエネルギー政策の見直しを行い、再生可能エネルギー(水力・太陽光・風力・地熱・バイオマス)を普及させるために導入されたものであります。

 この間、有利な売電価格がインセンティブとなり再生可能エネルギーの普及が2.5倍に拡大する一方で、いくつかの課題が浮き彫りとなりました。

 特に、拡大した内の約90%が太陽光という偏りと、売電価格の上乗せによる国民負担の増大は深刻でありまして、その是正に向けて昨年、改正FIT法が成立、今月から施行となったのであります。

 県では、銅山川第一発電所2号機と富郷発電所の2基について2013年に事業認定を受け、FITが適用されることとなりました。そして、それによって得た財源を活用し、畑寺発電所を建設したり、老朽化した肱川発電所を今後全面更新していく、との説明がなされました。

 国では、2030年時点で、再エネが占める割合を現在の約10%から2224%に引き上げることを目標としておりますが、私は、再エネ開発・普及の方向性は地域分散に向かうと思います。地産地消のイメージです。そしてそのカギを握るのが水力発電、とりわけ小水力発電ではないかと考えており、そうした観点から何点か質問しましたが、残念ながら議論は殆どかみ合いませんでした。

 所管が異なるという、いわゆるタテ割り行政というものを久しぶりに実感させられたのでありますが、再エネ普及を本県自身の問題、わが事として受け止め、当局の範囲内で責務を果たそうとするなら例えば、ダムの空き容量を活用できないか、嵩上げで発電量を増やせないか、さらなる販売が見込めないか等、ダムの発電能力、販売力を上げる努力がもう少しあっていいのではないかと私は感じました。

 言うまでもありませんが、エネルギー政策は国策であり、国の根幹をなすものであります。そうした位置づけの中にあっても、再エネ普及に関しては地方が主体的に取り組む余地が大きく、とりわけ水力発電の可能性は大と言うのが私の考えです。引き続き研鑽を積み、提言を重ねてまいりたいと思います。

 次に、特別委員会です。今回の議題は「第2期えひめ・未来・子育てプラン(前期計画)の取り組み状況等について」でありました。

 この計画は、本県で結婚したいと希望する人が結婚でき、子どもを持ちたい人が安心して生み育てることができるように、そして生まれてきた子どもたちが心身ともに健やかに成長できる愛媛の実現を目指した長期計画です。

 平成17年度からスタートし、5年ごとに見直しを行い更新してきているのですが、今年度はその第2期の3年目ということで、各事業の進捗について中間検証を行いました。

 私は、今年度からスタートした新規事業「愛顔の子育て応援事業」について質問を行いました。

 これは県内の紙おむつメーカーにご協力を頂き、県内在住で本年4/1以降に生まれた第2子以降の出生世帯に対しまして、紙おむつ1年分(5万円分)の愛顔っ子応援券を交付するというものであります。

 すでに私の元にも、多くの子育て世帯の皆様から“助かります”といったお声が寄せられておりまして、前評判の高さを実感しているところです。

 また、紙産業を基幹産業とする四国中央市にとっても本事業はWIN×WINでありまして、地域経済の活性化に資するという点からも素晴らしい着想の事業だと思います。

 これについて、私は「えひめ・未来・子育てプランの主旨に照らしてこの事業は来年度以降も継続すべきであり、そのためにも初年度をがんばって一定の成果を上げてほしい」と要望いたしました。

 さらに「第2弾、第3弾と各自治体と連携しながら息の長い取組みに育てながら、最終的には、子育て支援全般に使える「バウチャー制度」の導入についてぜひ検討頂きたい」と申し入れを行いました。

 子育てを応援する多くの県内事業者にバウチャー登録の輪を広げることで、オール愛媛で子育てに取り組むという機運がさらに醸成され、同プランがめざす愛媛実現のための一助になると確信しているからであります。

 引き続き、皆様のお声をお伺いしながら、本県のよりよい子育て支援環境の整備に向けて取り組んでまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」

2017-04-28

少子高齢化・人口問題調査特別委員会より













 本日午前、表題の特別委員会が開催されました。議題は、平成28年度における「第2期えひめ・未来・子育てプラン(前期計画)」の取り組み状況等について。

 この計画は、本県で結婚したいと希望する人が結婚でき、子どもを持ちたい人が安心して生み育てることができるように、そして生まれてきた子どもたちが心身ともに健やかに成長できる愛媛の実現を目指した長期計画です。

 同計画は平成17年度からスタート。5年ごとに計画を見直しながら更新してきており、今年度は第2期の3年目にあたり、各事業の進捗について中間検証という形で審査を行いました。

 当委員会は、少子化、高齢化、人口減少問題など非常に広範なテーマを所管する委員会ですが、正直なところ、今回のように更に守備範囲が広がる議題だとますます議論が深まりにくいなぁと感じています。

 例えば、歯止めのかからない若者の人口流出。これは本県にとって極めて深刻な課題であり、少子化、高齢化、人口減少のすべてに関わる問題でもありますが、その解決策を若者の視点から探るというテーマ設定で、多彩な若者にお越し頂き(あるいはこちらから出向いて)ディスカッションを行うとすれば、議論はブレることなく深まり、きっと双方にとって非常に有意義なアウトプットが得られるのではないかと思います。

 そんな中、私は今年度からスタートした新規事業「愛顔の子育て応援事業」について質問を行いました。

 これは、県内の紙おむつメーカーにご協力を頂き、県内在住で本年4/1以降に生まれた第2子以降の出生世帯に対し、紙おむつ1年分(5万円分)の愛顔っ子応援券を交付するというものです(手続きと窓口は各自治体)。

 すでに私の元にも、多くの子育て世帯の皆様から助かるとの声が寄せられており、前評判の高さを実感しています。

 また、紙産業を基幹産業とする四国中央市にとっても本事業はWIN×WINであり、地域経済の活性化に資する点からも素晴らしい着想の事業だと思います。

 そこで私は、大要以下について要望を申し入れました。

 「えひめ・未来・子育てプランの主旨に照らし、「愛顔の子育て応援事業」は来年度以降も継続すべき。そのためにも初年度をがんばって一定の成果を上げてほしい。また、各自治体と連携しながら息の長い取組みに育てていく中で、最終的には(県内登録事業者において子育て支援全般に使える)「バウチャー制度」の導入についてぜひ検討頂きたい。多くの県内事業者に登録の輪を広げながら、本県全体で子育てを行う機運醸成拡大に繋げ、同プランがめざす社会実現の一助になると確信している。」

 引き続き、皆様のお声を伺いながら、よりよい愛媛の子育て支援環境の拡充に向けて取り組んでまいりたいと思います。

2017-04-27

愛媛県災害ボランティアファンドにご協力を
















 2004年に発生した台風21号は、本県に甚大な被害をもたらしました。尊い教訓と決意に立ち、同年、大規模災害が将来発生した際、ボランティア活動がスピーディに行えるよう設立した基金が「愛媛県災害ボランティアファンド」です。

 県が4,000万円、市町が約2,400万円、計6,400万円を拠出し、8,000万円を目標にこの間、県内企業・個人の皆様へ寄附を呼びかけてきましたが、昨年度末までの寄附合計額は約645万円。目標まであと1,000万円で足踏みが続いています。

 幸いなことにその後、本県では災害救助法が適用されるような大きな災害が起きていないため、ファンドを取り崩す事態には至っておりませんが、昨年の熊本地震なども踏まえ、この度、県としてあらためて寄附の呼びかけを強化することとなりました。詳細はこちら

 1500円からとなっていますので、ぜひ皆様、ご理解とご協力を賜りますよう宜しくお願いいたします。

2017-04-25

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター設置の要望

























 本日、公明党愛媛県本部女性局7名(清水尚美局長)と私たち県議団3名で県民環境部長を訪れ、表題に関する申し入れを行いました。

 女性に対する暴力は重大な人権侵害であり、すべての女性が輝く社会実現のためにも、その根絶を図ることが大切です。とりわけ性犯罪・性暴力は、被害者にとって身体面のみならず、精神的にも、長期にわたる傷跡を残す重大な犯罪であり、加害者への厳正な対処とともに被害者に対する行政の心ある支援は何より重要な課題といえます。

 性暴力被害者においては、その被害の性質上、本人からはなかなか申告しにくく、事件として顕在化するものは氷山の一角に過ぎないといわれていますが、そうした性犯罪・性暴力被害の特殊性、深刻性に鑑みますと、被害者が安心して相談できる体制整備は極めて喫緊の課題といえます。


 国では、その受け皿となる「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」を、2020年までに各都道府県に少なくとも1か所の設置を政策目標として掲げ、この間推進してきました。現在、37都道府県が設置済みですが、残念ながら本県は未だ設置されておりません。

 本日の要望は、そうした遅れの現状を打開し、センター設置を始め被害者に寄り添った相談支援体制の整備を急ぐべし、というものでありましたが、部長から「各関係機関・団体と協議の上、できるだけ速やかな実現に向け取り組みたい」旨のコメントを頂き、大変心強く感じました。県議団としても引き続きしっかりと後押ししてまいりたいと思います。

2017-04-24

今年度初の経済企業委員会より













 午前、福羅新委員長の下、今年度の新たな顔ぶれによる経済企業委員会が初開催されました。当委員会は県の経済労働部と公営企業管理局を所管し、本日は後者について「公営企業における再生可能エネルギーの活用」を議題とし、審議が行われました。

 本県には9つの発電所(富郷・銅山川第一・第二・第三・肱川・畑寺・道前道後第一・第二・第三)があり、各所で水力発電事業を行っています。ご案内の通り、2012年から再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)がスタートしましたが、これは2011年の東日本大震災、福島第一原発事故を受け、国がエネルギー政策の見直しを行い、再生可能エネルギー(水力・太陽光・風力・地熱・バイオマス)を普及させるために導入されたものです。

 有利な売電価格がインセンティブとなり、この間、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の普及が2.5倍に拡大する一方で、いくつかの課題も浮き彫りとなりました。特に、拡大した内の約90%が太陽光という偏りと売電価格の上乗せ分が与える国民負担の増大は深刻であり、その是正を求める声の高まりを受け、昨年改正FIT法が成立、今月から施行となりました。

 県では、銅山川第一発電所2号機と富郷発電所の2基について2013年に事業認定を受けFITが適用されることとなりましたが、それによって得た財源を活用し畑寺発電所を建設(2015年から運転開始)、また老朽化した肱川発電所を全面更新するため今年度実施設計に着手し2023年度運転開始をめざして取り組みを進めていく、との説明がなされました。

 国の長期エネルギー需給見通しによりますと、2030年時点での電源構成のうち、再エネが占める割合を現在の約10%から2224%に引き上げることを目標としていますが、私は再エネ開発・普及の方向性は地域分散に向かうと考えており、その1つのカギとなるのが水力発電、とりわけ小水力発電ではないかと想定しています。そうした観点から何点か質問しましたが、議論は殆どかみ合いませんでした。

 ギャップの根本がどこにあるのか、それにより自らの問題意識がより明確となった、そういう意味で非常に有意義な委員会となりました。一層の研鑽を進めてまいりたいと思います。

(写真は大洲市にある鹿野川ダム肱川発電所)

4/24マンデー街頭「常識を覆す~創造的破壊が拓く未来」












 本ブログをご覧の皆様には“マンデー街頭ってタイトル、あれ何?”とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、これは前回改選時の2015年から私が私自身に課した議員活動の一環で、週明け月曜日の概ね8:00~8:30、市内の末広橋で行っている街頭演説のことです(祝日の日は順延、出張以外は雨天決行)。

 マンデー街頭と勝手に名づけてスタートしたわけですが、早いもので3年目に突入しました。年頭にも綴りました通り、本年はその発信内容をブログでもお届けさせて頂いており、以下は今朝の内容です。ぜひご一読頂ければ幸いです。

「皆様、おはようございます。
公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。

 3週間ぶりに晴れ間の広がる爽やかな週明けとなりました。心も晴れやかに、皆様にとって充実した1週間となりますようお祈り申し上げたいと思います。

 さて、先週、東京でユニークなフォーラムが開催されました。

 「常識を覆す~創造的破壊が拓く未来」という刺激的なタイトル。ゲストは、日本酒の“獺祭”をゼロから創り上げた旭酒造の桜井会長、そして2020年東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場・新国立競技場を手がける建築家の隈研吾さん。そしてモデレーターに一橋大学の米倉教授という、とても濃い顔ぶれに興味を抱きつつ、そして、本県の地方創生のヒントを探る目的で同僚議員と参加してまいりました。本日はその内容についてご報告いたしたいと思います。

 今回のフォーラムの核心はズバリ、“今の日本に最も必要なことはイノベーションだ!”ということでした。しかしこれは、決して常識を全否定するということではありません。

 経済学者のシュンペーターは「イノベーションとは既存の価値を破壊して新しい価値を創造すること」と定義し、アップル創業者のスティーブ・ジョブズは「イノベーションは新しい組み合わせ」と語りました。

 例えば、寿司は職人さんが丹精込めて作るもの、というのがひと昔前の常識でありました。それに対して“これを回転テーブルに載せたらどうなるか?”と最初に考えた人がいたから“回転ずし”が生まれ、今、堂々たる産業として確立しているわけです。

 ステレオとヘッドフォンも最初は別々の商品でありました。しかし“一緒になったらとても便利だろうなあ?”と考えた人が“ウォークマン”を生み出しました。

 テスラという世界最先端の電気自動車は、アメリカのシリコンバレーで開発されましたが、決して車やモーターを追求してできたのではありません。“ⅰPhoneに車輪がついたらどうなるか?”という発想から生まれました。

 私が今申し上げましたのは、既存のもの、既にあるものをアレンジし組み合わせることで新たな価値を創造した模範事例であり、イノベーションの姿そのものなのです。

 さて、ゲストの1人目“獺祭”の桜井会長のお話です。

 旭酒造という会社自体は山口県の岩国市にあるのですが、実はこの桜井会長、松山商大、今の松山大学のご出身で、奥様も今治出身。非常に本県にゆかりのある方でありました。さらに、この“獺祭”という商品名は正岡子規の俳号から頂いたとのことで本当に驚きました。

 そんな桜井会長の話を一言でまとめますと、「逆境が獺祭を生んだ」ということです。

 会長ご自身は大学卒業後、酒造メーカーに就職し、25歳で家業の旭酒造の経営に当たるのですが、ほどなく社長である父親と対立し、退社。その後、ベンチャービジネスを始め軌道に乗り始めた頃お父様がお亡くなりになり、それを機に家業に復帰されたそうです。

 しかし、当時の経営環境は最悪でジリ貧でした。生き残りをかけて経営の多角化を図るために、パック酒に参入したり、地ビールを造ったり、飲食店を立ち上げるなど、いろんなことにチャレンジしましたが、ことごとく挫折し、最後には杜氏にも逃げられるという八方塞り。しかし、その積み重ねの中から「独自の哲学」が磨かれていったのです。

 それは、「純米大吟醸しか作らない」、「原料の酒米は最高峰の山田錦しか使わない」、「精米を磨いて中心部の25%だけを原料とし、日本で最高のお酒を作る」。

 そして“通”だけがわかる日本酒ではなくて、一般の人や若い人、外国の人など“日本酒を知らない人でも美味しさがわかる”、そうしたコンセプトで生まれたのが獺祭であり、現在の世界的なブランドとして確固たるポジションを築くことに繋がったのです。

 “人口減少が続く過疎地域だから”、“日本酒は斜陽産業だから”、“杜氏がいないから”という逆境を「商品を変え、顧客を変え、市場を変え、売り方を変え」て乗り越えたというお話でした。

 これと同じことはできなくても、本県の、どの過疎地域にも、どの仕事にも、この考え方というものを当てはめることはできる、と私は思います。

 そうであれば私は、既存のものを組み合わせることで新たな価値を創造する“愛媛独自のイノベーション”は十分可能性にあふれていると思います。

 そういう芽出しとなる明るい事例をいくつか承知していますが、「そこに光をあて自信と希望を広げること」が政治の重要な役割の1つだと確信するとともに、そのことを県議会で精一杯実行に移してまいりたいと思います。

 次に、建築家の隈研吾さんのお話です。

 建築家の世界では、1964年の東京オリンピックのメイン会場・国立代々木競技場を手がけた“世界のタンゲ”、私の高校の先輩でもある丹下健三さんが第1世代、その弟子の黒川紀章さんらが第2世代、安藤忠雄さんらが第3世代で、隈さんたちは第4世代に当たるそうです。

 隈さんの話は、ご自身の半生や主な作品の解説、獺祭の桜井会長の会社の工場や店舗設計に関するエピソードなど、最後までグイグイ引き込まれっぱなしの魅力あふれる内容でありましたが、その独特の世界観を一言で表すと、ご本人がおっしゃるには「負ける建築」、これに尽きるという言い方をされたのが非常に印象的でありました。

 普通、著名な建築家の建造物といえば、存在感がバンバンこちらに伝わってくる圧倒的に力をもったものが殆どです。しかし、隈さんはご自身そういうキャラではないと認めた上で、風景に溶け込み自然に入り込んだ作品、融通無碍な素材活用で独自の世界を確立し、今の世界的なポジションを築き上げられました。

 従来、見る人を圧倒する“強さ”を目指すことが当たり前だった建築業界の常識を覆し、「負ける建築」、つまり今までにない、時代や環境にしなやかに寄り添う「物語としての建築」を目指した隈研吾さんの志こそ一世風靡の今に至る原点であった、そのように私は感じました。

 フォーラムのタイトル通り、さまざまな常識を覆しながら、イノベーションを起こしながら、本県ならではの地方創生の実現に向けて、微力ながら全力で取り組んでまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」