2018-03-08

私の一般質問 ②婚活支援の取組みについて











「次に、婚活支援の取組みについてお伺いします。

本年1月、少子高齢化・人口問題調査特別委員会の県外視察が行われ、私も参加いたしました。貴重な知見と示唆を得ることができ、関係各位に感謝を申し上げます。その中からまず、「さが出会いサポートセンター」について取り上げたいと思います。

佐賀県では、県から委託された地元広告代理店が婚活支援事業を行っており、その最大の特徴は、九州・山口の9県で広域的な連携を図っているという点にあります。

普通に考えれば、“9県の中でわが県の若者が、他県へ流出したらどうしよう?”といった心配が先に立つところですが、

九州・山口地域は、他の地域に比べて合計特殊出生率が総じて高く、人口移動の約半分が圏域内に留まるというデータから、これを強みと捉え、広域連携に踏み切ったそうであります。

事業を推進するのは9県の知事と経済団体の代表で構成される「九州地域戦略会議」で、この会議体が母体となって「九州創生プロジェクト」構想の下、各県がそれぞれのプロジェクトを分担しながら、推進。

そのプロジェクトの1つである「出産等の希望が叶う社会づくり」を佐賀県が担当する、そんな事業スキームでありました。

多彩な取り組みが展開される中、私が特に感銘を受けたのは「ワーク・ライフ・バランス推進キャンペーン」でした。

非婚や晩婚が進む背景には、出会いがない、経済的に厳しいなど様々な原因が指摘されておりますが、それ以外にも、若者の働き方に対する価値観と現実のギャップによる影響が大きいのではないか?との想定に基づきセンターが調査を行ったところ、

従来の仕事観や夫婦の役割分担のままだと“結婚したいと思わない”、“結婚するのがベストと感じられない”、そんな若者の本音が浮かび上がるとともに、

九州・山口地域の男性は、家事関連の時間が全国平均より短く、妻は夫に比べて約7倍働いているという実態が明らかとなったそうです。

その意味では、このキャンペーンがめざす最大の目的は「男性の意識改革」といえるでしょう。

キャンペーン展開の中で、瞬く間に世界中で反響を呼んだ1本の動画があります。タイトルは「知事が妊婦に。」、尺は3分。

内容は、九州・山口の県知事が妊娠7ヶ月相当、約7㎏の妊婦キットをお腹に装着した状態で、実際に1日執務を行い、妊婦の家事や子育てがいかに大変か、身を持って経験するというものです。

動画を始めとした情報発信によってキャンペーンの認知度が一気に上がり、実施から2年後の調査では、男性の家事時間が増えるなど、当初の目的であった男性の意識改革が着実に進み、出会いや結婚、子育て支援など他の事業成果にも好影響を与えていることが明らかとなったそうです。

言うまでもなく、婚活支援事業が果たすべき重要な役割は、男女の出会いと結婚のきっかけを提供することですが、

いわゆるイクメンやカジメンなど男性側の意識と行動を変えることが、結果として、若者の結婚に対する心理的なハードルを下げ、きっかけができやすくなることにつながった面もあるのではないでしょうか。

ご案内の通り本県においては、ビッグデータを活用した“えひめ方式”と言われる独自の婚活支援で高い成果を上げ、全国から注目を集めています。

その一方で、一部の利用者から“なかなかいい人に会えない”、“1回も出会えたことがない”という声、また“スルーが続くと自信喪失感が半端でない”、

あるいは“自治体によって事業に対する熱意や協力度合いが異なる”といった声も聞かれます。

私は、このような利用者の指摘は、婚活の先進県として次なるステージへ向けて進化するチャンスと捉えるべきと考えます。

そこで、お伺いします。

まず、九州・山口地域では、広域的な連携により婚活支援事業を実施しておりますが、本県における他県との連携の取組みはどうか、見解をお示しください。

次に、えひめ結婚支援センターのこれまでの成果と課題、及び今後の事業展開について、ご所見をお聞かせください。

最後に、九州・山口地域の男性の意識改革の取り組みについてであります。

九州・山口地域では、結婚や出産、子育て支援といった少子化対策を進める上では、まず男性側の意識改革が必要であるとし、動画を中心とした秀逸な手法でキャンペーンを展開し、成果を上げつつありますが、

県では男性の育児や家事参画などに対する意識改革にどのように取り組んでいくのか、ご所見をお聞かせください。」

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