2017-02-06

2/6マンデー街頭「常任委員会と特別委員会」

「皆様、おはようございます。
公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。

 先週、県議会では常任委員会、特別委員会が一斉に開催されました。私が今年度所属しております農林水産委員会では、政府の農業改革案である「農業競争力強化プログラムについて」を議題とし質疑が行われました。

 これは、今後10年間で所得の倍増をめざそうと、平成25年から議論が進められてきたもので、昨年、自民党・小泉農水部会長を中心に取りまとめられ、与党協議を経て正式に政府案となりました。

 そのめざす方向は、農業者の所得向上を図るためには、何よりも農業者が自由に経営展開できる環境を整備していくことが重要である、とし、それを阻害する構造的な問題を解決して競争力を強化しようとするものです。

 具体的には、肥料、農薬、農機具といった生産資材価格の引き下げや、流通・加工の構造改革、人材力の強化や、土地改良制度の見直しなど13項目にわたります。

 理事者説明の中で、とりわけ私は、人材力の強化に注目しました。就農、つまり農業に従事しようという方に対し、準備段階、スタート段階、就農後のステップアップ段階というふうに、充実した切れ目のないサポートが行われるスキームが今回確立した点を、高く評価したいと思います。

 特に、新年度から、就農後の農業者が本格的に経営を学ぶ場として農業経営塾が新たに開設されることを心強く受け止め、その内容について質問いたしました。

 答弁によりますと、県立農業大学校で年に20回程度、マーケティングや経営など幅広い内容の講義を行う予定とのこと。

 私は、農業者の所得向上に必要なものは、生産者であることに加えて経営者の視点との持論を訴え、そのために最低限必要なスキルは、マーケティングとブランディングとファイナンスであり、新年度からの農業経営塾にはそうしたことも盛り込んで頂き、所得向上に向けて確かな道筋をつける場として大いに期待を寄せたい、と要望を述べました。

 65歳以上が7割以上を占める本県農業の担い手対策は待ったなしであり、若者を中心に、またUターンや移住者も巻き込みながら、新たな担い手が拓く新たなえひめ農業への変革に、私も積極的に取り組んでまいりたいと思います。

 次に、少子高齢化対策特別委員会では、愛媛大学社会共創学部の山崎特任教授をお招きし「人口減少をテクノロジーで克服する」と題しての提言を伺いました。少子高齢化や人口減少が進む中、私達はどんな将来を見通し準備すべきか、ということが主題であったと思います。

 特に興味深かったのは、長く続く経済停滞など今、起きている経済現象は、従来の常識では説明がつかないことばかりであり、これは第4次産業革命が着実に進む真っ只中にあるのではないかという教授の仮説と裏づけの提示であります。

 産業革命と言われてもなかなかピンと来ませんが、例えば、自動運転、3Dプリンタ、介護ロボット、IOT、AIなどはすべて、第4次産業革命のトレンドであります。

 それによって何が起きるかと言うと、教授によりますと、社会のパラダイムシフトが起こる、と。社会の構造が根本的に変わり、常識も秩序も産業も全く新たなものに変化するということであります。

 その結果、必要とされる仕事が変わり、働き方も大きく変わっていくだろうとのことで、多くの議員に“もっとお聞きしたい”と言わせしめる山崎特任教授の講義でありました。

 人口減少をテクノロジーで克服するとの演題の通り、今後、IOTやAI化が加速度的に進む中で、例えば障害のある方のハンデが除去されたり、高齢者の自助自立を格段に向上させたり、買物難民を解消するなど、私たちが現在直面する課題のいくつかを解決してくれる、よい変化が期待されること。

 その一方、政治課題は時代によって変わりますが、例えば、米国トランプ大統領誕生の背景には、行過ぎたグローバリゼーションの進展が国民から雇用を奪ったことがいわれていて、その結果、保護主義や移民排斥や民族主義が、欧州等も含めて台頭しつつある現在、分断の克服というものが国際社会の新たな政治課題として浮上してきています。

 それと同じように、テクノロジーが進展しAI社会となった時、どのような政治課題が出現するのか、どのような国際社会が現出するのか、ということを私は質問しましたが、教授からはそれは誰にもわからない、との答弁でありました。

 答えにくい質問であったかと思いますが、私なら、それを考えるのがこれからの政治家の仕事、と答えたいと思います。また、そうでなければならないと確信しています。

 いずれにしましても、貴重な示唆を頂いたテクノロジーの活用という視点から、現在、本県が直面するさまざまな政治課題の解決に向けて、積極的にアプローチしてまいりたいと思います。」

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