2017-02-20

2/20マンデー街頭「健康長寿の取組み」

「皆様、おはようございます。
公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。

 いよいよ明後日から県議会2月定例会が開会となります。新年度の予算案について議論する1年で最も重要な議会であり、私も一般質問に3/6登壇する予定です。

 本日は、今回取り上げる予定の質問項目の中から、健康長寿という、元気な高齢者を増やす取組みについてご報告をいたしたいと思います。

 皆様ご承知の通り、現在、わが国は、世界で最も高齢化率の高い超高齢社会に直面しています。社会保障費は直近の2016年度で約118兆円、そして、団塊の世代が後期高齢者となる2025年には約145兆円に膨らむと言われております。このままだと現役世代も高齢世代も、負担が限界を超え、社会自体が持たない、そんな声も聞こえてまいります。

 財政再建を成し遂げながら、社会保障制度を将来にわたって維持していくためには、国民の皆様の理解を得るカタチで、その伸びを抑制しなければなりません。そうした議論から出た1つの結論が消費増税ですが、答えは1つとは限らないのでありまして、私が今、最も注目しているのが「フレイル対策」です。

 フレイルとは、高齢者の身体機能や認知機能が低下して虚弱となった状態のことで、介護が必要となる前段階を指します。そして、この状態にある期間に健康づくりを行うことによって、生活機能の悪化予防や回復、自立した状態を維持することが可能と言われるのです。

 その先進事例ということで、私、先週、高知県庁を訪問しまして、官と民の協働で成果を上げている「健康パスポート」事業について担当課長からお話を伺いました。

 そもそも高知県では働き盛りの死亡率が高く、1人当たりの医療費が全国第一位という不名誉な現状があったそうです。そして、原因を調べていきますと、特に働き世代において日常的な健康づくりが殆どできておらず、死亡原因の4割が生活習慣病であることが判明。そして、平成22年に日本一の健康長寿県構想を掲げ、対策を開始したのだそうです。

 しかし、健康的な生活習慣の定着に向けた啓発活動に注力するものの、思うように改善行動に繋がらない。どうすれば県民の皆様方に自分事として取り組んでもらえるのか。そうした苦悩が続く中、一昨年の5月に改正健康保険法が施行され、自治体や協会けんぽ等の保険者が加入者に対し、インセンティブを提供することが努力義務として位置づけられることとなりました。

 これを機に、県と自治体、健保組合が魅力あるインセンティブをキーワードに、議論を開始。“働き盛り世代がいつもの生活を送る中で、簡単に楽しく、自然と健康になっていける取り組み”をめざし協議を重ねた結果、たどりついたのが、「健康パスポート」事業でありました。

 20歳以上の県民が対象のこの事業、しくみはシンプルです。がん検診やメタボ検診、人間ドッグで検診を受けたり、
献血やマラソン大会などの健康イベントに参加したり、プール・ジム・ボウリング施設等を利用したりしますと、ポイントがシールでもらえます。そして、それを幾つか貯めて県に送ると、自宅に健康パスポートが届きます。

 あとは、先ほど挙げたような健康づくりへの取り組みに参加するたびごとにポイントがもらえ、健康パスポートにコツコツ貯めるだけ。ポイントが貯まるごとに、特典として、スーパーマーケットやスポーツジム、温泉、飲食店などで、何度でも割引が受けられるのです。さらには抽選で、自転車や10万円分の旅行ギフト券など豪華景品が当たります。

 事業立ち上げ直後から大反響で、現在までに全市町村と県内1,181の協力店が参加しており、健康パスポートの数は、半年弱で9,000人を超え、現在足らなくなって増刷中とのことでした。

 私が特にすごいと感じましたのは、その4割がこれまで健康づくりと縁遠かった40-50代の働き世代となっている点です。正に目論見どおり、といえるのではないでしょうか。

 そうした高知県の取り組みを視察してあらためて思うことは、フレイル対策の重要性であります。

 社会保障費の増大がこのまま続けば、2025年には介護人材が約38万人不足すると言われます。しかし、これは介護人材の需要見込み約253万人から供給見込み約215万人を引いた数でありまして、発想を変えると、介護人材38万人が担う介護サービス需要を抑制することができればこの不足は解消できる、ということであります。そして、その取り組みこそ、フレイル対策に他ならないのです。

 フレイル対策は健康長寿社会への最も近道、と私は考えます。現役世代も高齢世代もウィン×ウィンの関係となり、財政再建にも社会保障制度の維持にも、三方良しの施策となるはずです。

 本県の健康長寿、元気な高齢者を増やすフレイル対策の取り組みが、大きく前進するよう、全力で訴えてまいりたいと思います。」

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