2018-05-21

5/21マンデー街頭「18歳成人について」











「皆様、おはようございます。
公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。

五月晴れのとても爽やかな週明けとなりました。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。

さて、先週は中高生の主催による「Voters Café Kids」というイベントが開催され、私も参加させて頂きました。

とても感銘を受けましたので、本日はこのイベントをふまえながら、国が進める18歳成人についてご報告いたしたいと思います。

今回のイベントVoters Café Kidsは、NEXT CONEXIONという若者のシチズンシップ(市民意識)を育むNPOの企画で

「現役の中学高校生が小学生に社会のしくみを伝え、世の中に対する興味を深める」ことを目的として、中高生自ら運営を行うものです。

NEXT CONEXIONでは、これとは別に、地域社会を擬似化した「こどもタウン」という体験型イベントも行っているのですが、

前回そこで出てきたいくつかの課題について、実際の議会の流れ(本会議・委員会・討論・採決)に沿って話し合いどうするかを決める、というのが今回の流れでありました。

最初にリラックスタイムとして、各グループに別れてお題を漫画で後ろにつないでいく伝言ゲームで幕が開け、いよいよ本題に移ります。

まず、次回の「こどもタウン」イベントをよりよいものにするため、5つのテーマが本会議で示され、参加者(小中高生と私たち議員)が5つの委員会に別れ、各テーマについて賛成派と反対派に分かれて議論。

そして、最後の本会議で論議の内容を報告し、採決を取るという、正に実際の県議会を地で行く迫真の子ども議会でありました。

5つのテーマは、例えば

「こどもタウンでルールを守らない人がいる。次回から違反した人には高額の罰金を課す制度を作るべきだ(賛成か?反対か?)」、

「こどもタウンでは貧富の格差が生じているので累進課税を導入すべきだ(賛成か?反対か?)」

という形で、賛成派も反対派もそれぞれ理由を3つずつ述べなくてはなりません。

いわばディベート形式で意見のやりとりを行うのですが、小中高生の意見を聞いておりますと、

“なるほど!”と唸らされたり、
“そういう見方があるのか!”と脱帽させられたり、

彼らの柔軟で鋭い感性に触発され、驚きと発見の連続でした。

続いて、各グループで食事を取りながら“究極クイズ”です。

例えば、

「あなたは行けるとしたら、過去に行きたいか、未来に行きたいか?その理由は?」

あるいは、

「あなたは1つだけ選ぶとしたらお金か、愛か?その理由は?」

こんな感じで究極の2者択一の議論を行うのですが、これは想像以上に盛り上がりました。

ちなみに、お金か?愛か?につきましては、私のグループでは、私以外全員「お金」を選び、強烈なジェネレーションギャップを感じた次第であります。

そして最後に、本会議で5つのテーマについて採決を取り、首尾よく可決されたもの、残念ながら否決されたもの、と、皆で結論を出し終了したわけですが、

実際の議会を追体験できる素晴らしいイベントで、生きた主権者教育の場でもあるなぁ、と深く感じ入りました。

企画運営に当たられた中高生を始め関係各位に心から敬意を表しますとともに、今後さらなる発展に向けて私も尽力してまいりたいと思います。

さて、主権者教育といえば一昨年、18歳選挙権が導入されましたが、それに関連して政府は本年3月、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正を閣議決定し、各改正案が国会に提出されました。

今国会で成立しますと、20224月から施行され、つまり4年後から18歳成人となるわけですが、このことについて皆様はどうお考えでしょうか?

確かに成人年齢18歳は世界では主流であり、私もそうあるべきとは思いますが、同時に、もう少し慎重に議論する必要があるのではないか、さらに言えば、何をもって成人=大人とするのか定義を明確にするのが先と考えるのであります。

ちなみに、今の成人年齢20歳というのは1876年(明治9年)に定められたもので、これが18歳となれば実に142年ぶりの歴史的な変更となります。

そして、多くの省庁で法改正が必要になります。

例えば、選挙権年齢については総務省が所管でこれは既に改正済ですが、

刑法や少年法は警察庁の管轄、年金については厚労省、パスポートは外務省、ローンやクレジットカードなどの契約については経産省というふうに、必要となる法改正は多くの官庁にまたがっています。

そして、これらを一律18歳に引き下げることについては様々な意見があります。

例えば、飲酒や喫煙、競馬などの公営ギャンブルについては健康被害や依存症に対する懸念があり20歳に据え置くとも言われていますが、そういう判断能力も含めて成人とするなら整合性という点で疑問符がつく、との指摘もあります。

そもそも当事者である中高生に対する18歳成人アンケート調査をみますと、“よくわからない・不安”という回答に次いで、“反対”という意見が“賛成”を上回っているのです。

ここはとても大事なところですし、私は“なぜ今、18歳成人なのか?”ということについてもっと理解を深めていく必要があるのではないか、と感じてなりません。

憲法に掲げられた国民主権に照らし国家を担う主体が成人だとしますと、成人にはそれだけの責任が求められますし、それを果たせるだけの能力を、18歳になるまでにきちんと授けることのできる、安心して送り出せる社会でなければなりません。

当事者への調査で“よくわからない・不安”という回答が最も多いということは、まだ社会はそのようにはなっていないということの裏返しではないでしょうか。

その意味では、本日ご報告いたしました小中高生を対象としたイベント、シチズンシップを育む主権者教育は極めて重要な取組みであります。

国においては、成人年齢引き下げに見合うくらいのスピード感を持って主権者教育の拡充強化に取り組んで頂きたいと思いますし、私も県議会の中で積極的に提言を重ねてまいりたいと思います。

皆様におかれましても、18歳成人に関するこれからの動きについてご注目を頂き、またぜひお気軽にご意見をお聞かせ頂けると幸いです。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」

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