2017-07-10

7/10マンデー街頭「四国新幹線、東京決起大会」














「皆様、おはようございます。
公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。

 はじめに、先週、福岡・大分をはじめ九州北部で記録的な豪雨による災害が発生し、21名もの尊い命が犠牲となりました。心からご冥福をお祈りいたしますとともに、被災者の方々に衷心よりお見舞いを申し上げます。

 近年の地球温暖化がもたらす異常気象は、突如、私たちがこれまでに経験したことのない大惨事をもたらします。そうした自然災害の脅威に対して今、私達ができること。それは数々の教訓を謙虚に受け止め、日頃から備えを11つ積み上げていく以外ありません。

 また、防災の基本は自助・共助・公助といわれますが、被害を最小限に抑えるにはこの3つをそれぞれ地道に高めていく以外なく、県といたしましても自治体・国と連携を強めながら、ソフト・ハードの両面からしっかり取り組んでまいりたいと思います。

 さて、既に新聞・テレビ等でご存知の方もいらっしゃると思いますが、先週6日、東京で「四国新幹線整備促進に向けた東京決起大会」が開催され、私も参加いたしました。本日はその概要についてご報告したいと思います。

 大会に先立ち、まず、四国4県や四国経済連合会など46団体の参加により「四国新幹線整備促進期成会」が設立されました。

 設立総会では、四国の4地銀のシンクタンクでつくる「四国アライアンス地域経済研究分科会」が、四国新幹線を活用した四国の地域づくりや経済効果等について今年度中に調査を行い、その結果を情報発信しながら誘致活動を加速させていくという方針が確認されました。

 そしていよいよ、決起大会がスタート。四国選出の国会議員と4県知事、私たち四国の議員、さらに国交副大臣や経団連副会長などの来賓を加え総勢約600人が集結し、四国新幹線誘致に向けたキックオフが行われました。

 四国新幹線については導入反対といった声もお聞きしますが、それ以前に私は、4県とも総じて関心が低いというのが現状であり、まずは関心を高めることが先決問題ではないかと考えています。そこで四国を取り巻く現状と新幹線の導入効果について若干触れてみたいと思います。

 まず、四国を取り巻く現状です。

 昨年3月に北海道新幹線が開通し、これで北海道から九州まで新幹線でつながり、新幹線空白地域は四国だけとなりました。この、四国が取り残された形の地域間格差の拡大は、国土強靭化の点、また地方創生の視点からみてもフェアではありません。命を守るために必要な国土インフラの整備は、国においては公正に行われるべきであり、競争の機会均等の観点からも、地域に対して十分な配慮がなされなければならないと思うのであります。

 次に、四国新幹線の導入ルートです。

 今のところ、松山と高松、岡山と高知をクロスさせ4つの県都を結ぶ形が有力です。

 期成会の前身である「四国の鉄道高速化検討準備会」の調査によりますと、概算事業費は約1.5兆円で、費用便益比(B/C)は1.03、経済波及効果は年間169億円が見込まれるとのことです。ただしこれらはあくまで概算でありまして、現在の基本計画を整備計画に一歩前進させるためには、国による本格調査が必須となります。

 一方、導入の効果につきましては、私たちが最もイメージしやすいのは「移動時間の短縮」だと思います。

 今ですと、松山から東京までスムーズに乗り継いでも6時間以上かかりますが、これが4時間となります。4時間というのはちょうど現在のJR松山~高知間の所要時間で、これと同じ時間で東京まで行けるようになるというわけです

 また、その高知についても54分で、徳島までは1時間で、そして高松には実に42分で到着することが可能になり、四国の4県都がほぼ1時間以内で結ばれることになるのです。

 移動時間の短縮は、四国と全国各地の距離を縮めます。生産地と消費地、工場と市場をより近く、より速く結ぶことにより、コストが下がり生産性も向上するでしょう。

 いうまでもありませんが、本県は農林水産業が基幹産業でありますし、製造品出荷額で四国の44%を占める工業大県でもありますが、四国新幹線の導入はそのいずれにもプラスに働き又、観光ビジネスにおいても交流人口の飛躍的増大が見込まれ、本県経済全体に大きなチャンスをもたらすことは間違いないと思います。

 経済面以外でも、人口集積から見た指標や、災害に対するリダンダンシー(代替手段)の確保、衰退する在来線の維持などが期待されますが、問題は財源です。

 1.5兆円の概算が最終的にどれくらいになるか不透明ですが、現在の厳しい財政状況の中から財源を見出すのは容易ではありません。

 また、整備計画が決定したとしても開通までにはおおよそ40年かかるといわれておりますから、それより先の愛媛・四国がどのような姿になるのかについてもしっかりと見据えなければなりません。

 こうした1つ1つの課題に対し、ビジョンに基づいた現実的な選択肢を提示するのが、政治の極めて重要な役割であります。

 「四国新幹線整備促進に向けた東京決起大会」は、熱気に包まれながら、国に対して①四国新幹線の整備計画への格上げに向けた調査費を来年度予算の中に措置すること、②新幹線建設予算を大幅増額すること、この2つを求める決議案を採択し、閉会となりました。

 構想実現のためには言うまでもなく、地元愛媛の皆様のご理解とご協力が必要です。そのために私は、是非の議論もさることながらまずは、1人でも多くの皆様に関心を持って頂けるよう、そして関心が高まるよう、あらゆる活動を通して対話を進めてまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」

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