2017-12-04

12/4マンデー街頭「今治市への獣医学部新設に関する質疑について」
















「皆様、おはようございます。
公明党・愛媛県議会議員の木村ほまれでございます。

12月に入り、寒さが一段と厳しくなってまいりました。一部地域ではインフルエンザの流行の兆しが見られるようです。

また、県内では現在、交通死亡事故多発緊急事態宣言が発令中です。これからの慌しい季節、どうか油断を排しながら、皆さま、健康、無事故でお過ごし頂ければと思います。

さて、先週から12月定例会がスタートした県議会ですが、これまでに6名が登壇いたしました。

本年最大の事業であります「えひめ国体・大会」の総括を始め、活発な論戦が繰り広げられておりますが、その中から本日は、今治市の獣医学部新設に関する質疑についてご報告いたします。

ご案内の通り、本件に関しましてはこれまで、国会においてさまざま論議されてまいりましたが、先月14日、文科省が加計学園岡山理科大学獣医学部の新設計画を認可し、来年4月に開学することが正式に決定。そして同日、今治市から愛媛県に対し支援要請が行われたところであります。

これまでは、国家戦略特区の申請手続きに関する議論、あくまでも国会中心の議論でありましたが、正式に認可がおり開学に向けた準備に入るここからは県としての判断が求められる、そういう局面に入ったと思います。

そうした中、先週は3人の議員がこの問題を取り上げましたが、共通するのは「今治市の支援要請を受け、県は今後どのように取り組むのか?」という論点でありました。

これに対し中村知事からは「今治市の第三者機関の議論を見極め、県の専門的知見も生かして、事業費の妥当性を精査したい」との答弁がありました。

この第三者機関というのは、今治市長が任命した弁護士や公認会計士、感染症が専門の大学教授ら5人で構成された委員会でありますが、

この委員会では、大学校舎などの建設費や、設備機器の単価・数量の妥当性、今治市の補助金交付や土地無償譲渡の適法性等について、専門的見地から審査が行われ、年内を目途に市長に報告するとされています。

従いまして、県から今治市への具体的な支援額や内容につきましては、次の2月定例会(もしくは臨時会)で議論されることになりそうです。

さて、正式に決まった今回の獣医学部新設ですが、全国では52年ぶり、四国では初めての設置となります。

今治市としては40年来の悲願でありますし、県議会としても「獣医師養成系大学の設置に関する規制緩和を求める意見書」を全会一致で採択しこれまで後押しをしてまいりましたので、今回の新設を率直に歓迎したいと思います。

そしてこれを機に、県内の深刻な公務員獣医師不足の解消、鳥インフルエンザ・口蹄疫など感染症の防止や、西日本有数の畜産県でもある本県の安全性の確保といった面から、県民生活により安心が広がるよう取り組んでいかなければなりません。

質疑によりますと、今回新設される獣医学部の専任教員は75人。募集する学生は、6年制の獣医学科で定員140人、4年制の獣医保健看護学科で定員60人とのことで、

順調にいきますと、6年後から毎年約1,200人の定住人口が確保されることになり、人口減少が続く中で地域活性化への期待も大きく膨らんでまいります。

今治市では、今回の誘致にあたり96億円を上限とする施設整備費の補助を既に決定しており、それに見合う経済効果が求められるところですが、同市の試算によりますと、経済波及効果は施設整備で約240億円、学生・教職員による消費支出が年間約20億円とのことです。

そして将来的には、創薬やライフサイエンスなど最先端の学術研究拠点をめざしながら、製薬・食品関連企業、各種研究機関の誘致を図っていくという構想が描かれています。

こうした“企業誘致活動”に関する県の所管は経済労働部になるのですが、一連の質問に対しまして理事者からは

「ライフサイエンス産業は優良分野であり、これまで県として重要なターゲットと位置づけてきた」

「今回の学部新設により、ライフサイエンス産業の開発や研究の現場で活躍が見込まれる獣医療の専門知識と技術を持った人材供給が可能となり、本県の強みとして優位性を持つと期待する」

との答弁がありました。

私は、今回の質疑を通して見えてきた今後の課題について、大きく2つあると考えます。

1つは、そもそもの出発点である公務員獣医師の確保です。

将来にわたって定員数を確保できるのか、卒業後の人材が県内に定着するのかといった懸念に対する対応、受入環境の整備や獣医師の処遇改善などであります。

もう1つは、新産業の創出です。

AIやロボットなど第4次産業革命が進行中の今、そして、ソサエティ5.0といわれる時代の到来にあって、地方を持続可能としていくためには、愛媛の持ち味、県下各地域の強みを生かした“新たな産業と雇用”を生み出すことが極めて重要と私は考えます。

その意味で、新設される獣医学部がライフサイエンスなど最先端の学術研究機関として、知の拠点として、ぜひ新たな産業創出に寄与して欲しいと思います。


私自身、今後、第三者機関による議論を踏まえながら、そして懸念されるさまざまな課題に対し、しっかりと提言を行ってまいりたいと思います。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」

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